食欲-2
タクミが脱衣所へ行き、
しばらくすると夕飯を終えた。
カチャカチャとお皿を下げて
エプロンをつけると
皿洗いを始める。
洗いながら考える。
「 、 、 、 、、 」
『なんで
きてくれるんだっけ』
、 、 、、どういう
意味だろう
私が? ここにくるのは
「付き合ってる、、から、、。
、 、 、、。
だよね? 」
タクミ君、、、やっぱり
「なんか、、 変だなぁ。
生活は多少、、変わったし
疲れが出てる? とか?
それか、、、
何か 理由があって、
私に来てほしくない
とか?
んーーー? ? 」
ちづるは、
ブツブツと独り言を言いながら
洗い物を続けた。
タクミが風呂からあがると、
「私も入っちゃうね。」
と言ってちづるが入る。
風呂上がりのちづるは
ライトグリーンのパジャマを着て
ドライヤーをかけた後
キッチンへ戻る。
タクミがいない。
つけっぱなしのテレビと、
キッチンの電気を消して
ちづるはタクミの部屋へ行く。
タクミは
ベッドの上で仰向けになり
スマホを眺めている。
スマホから、
小さくゲームの電子音が流れている。
ちづるが部屋の机の上の
時計を見ると10:30だった。
ちづるがベッドの隣に敷いてある
布団に入りながら話しかける。
「タクミ君は明日、何時起き?」
「、、明日は、遅い授業だけど、、
友達と会うから10時にここ出る。」
「そっか。
じゃあ私もその時間に出るよ。
朝ごはんは、一緒に食べる?」
「、、うん。 食べる 」
「 分かった。」
ちづるは優しい声で話終わると
目を閉じて眠ろうとする。
タクミは15分ほどゲームを
していた。
ゲームを終えると
ベッドの上の部屋の灯りのスイッチを
押して部屋を暗くした。
部屋のブルーのカーテンからは
外灯の灯りが
ほんの少し入り込んでいる。
タクミが灯りを眺めて呟く。
「、、、ちづちゃん、 」
「 、 ん、 ? 」
ちづるは、
ほんの少しウトウトしていたが
タクミの声に応える。
「 、 、エッチ
しなくていいの? 」
「 ん 〜 ?
ん うん 」
「、、、。最近、あんまり
してないけど、、。」
「 ん、、 」
「 、 、 、 、、、。 」
「、 、 ? 」
タクミ君?
?
?
あ ダメ
寝ちゃう 、、
「、 、 、 、 、、。
ちづちゃんは
いいよね、、なんか
、 、 、、。
ずるい 」
タクミが静かに、
寂しそうにそう呟いたが
ちづるには届かなかった。