Girl Meets Devil 〜その[〜-2
「相変わらずですね。茜さん、返事は何時でもお待ちしてますよ。」
「待たなくていい。茜、さっさと行くぞ!」
「すみませんね。僕はこれから茜さんとお祭りを楽しもうと思うのであなた一人で行って下さい♪」
辺りの空気がざわつく……
寒い!暑いはずなのに何か寒い!!
「…いい度胸じゃないか先輩♪俺と殺り合って勝てるとでも?」
「殴り合いは好きではありませんが、どうしてもと言うのなら構いませんよ。」
うわぁ…まさに一触即発の状態ってやつだ……
どうしよう…このままだと、お祭りが……まだ、たこ焼きも綿菓子も林檎飴も食べてないのにぃ〜!
ってそんなこと言ってる場合じゃない!
どうすんの私?どうすんの?
ああ…某CMみたいにカードが出てきそう………
それより、早く何とかしないと事態は最悪の展開に向かってまっしぐらだ……
仕方ない…
「ごめんなさい、先輩!!」
恭夜の手を握り、急いで走り出す。
「あ、茜さん…」
「すいません!今度、何か埋め合わせしますから〜…」
「はぁ…はぁ…此所まで来たら大丈夫……」
「また、強引だな…まあ、茜なら俺を選ぶとわかっていたがな♪」
「違う!あのままだと、何が起こるか分かんなかったし、せっかくのお祭りを台無しにされたら堪んないから!」
あ〜、疲れたぁ…
こうなったのもこの悪魔のせいだから、たこ焼きも奢らせてやる!
「茜、アレは何だ?」
恭夜の視線の先にあるもの。それはお祭りの風物詩…そう【金魚掬い】。
「えーっと、アレは金魚掬いって言って……」
とりあえず、恭夜に金魚掬いのルールとやり方を教える。
「ほぅ…面白そうだな。茜、やってみてもいいか?」
そう言って、屈託のない笑顔を見せる。
まったく、変なところで無邪気と言うか、子供っぽいと言うか……
でも、そんな恭夜はちょっと可愛く見えるんだけど……
「いいよ♪ついでに私もやる。」
少し厳ついテキ屋のおじさんからポイを二人分もらう。
「よし!じゃあ恭夜、勝負しない?」
「いいぞ。なら、敗者は勝者の言うことを一つ聞くというのはどうだ?」
「いいよ。後で取り消すのは無しだからね!」
ふっ、恭夜には悪いけど負ける気がしないね。
「よしっ!勝負!」