いつわり-4
『感じてるんだろ、おまんこ。恵利子は上になって腰振りながら、感じるって言うんだ』
男は眼を爛々させ、問い質してくる。
「ひどい! ひどいよ、恵利子は“お姫様”じゃなかったの?」
その言葉に男は恵利子の揺り動かしてる腰をがっちり掴み、快楽を貪れないように押さえつける。
『さあ、言うんだ。どれかひとつでも口にすれば、もっと、感じさせてやる』
「ああっ、いじわるしないでっ」
『さあ、私のように正直な気持ちを』
「えっ、えっ、恵利子は…… うえになって腰をっ、振る女の子です。あああぁぁぁ」
恵利子の口からたどたどしい台詞が漏れると、掴んでいた腕を離して、深く突き挿した陰茎
で蜜壺を掻き回す。
「イィィィィィッッッッ! もっと、もっとぉぅ、恵利子のおまんこ突いてぇ。奥をっ、奥まで掻き回して」
恵利子は我を忘れて、絶叫する。
恵利子のなかで、何かが音をたて壊れはじめる。
もっとも、こんな恵利子を男が目にするのは今日が初めてではない。
「すごい、すごいよ、“おにいちゃん”。変になっちゃう、恵利…… エリっ、エリちゃんのおまんこ、変になっちゃう! イクっイクッ、イクゥゥゥ…… 」
叫びながら恵利子は腰で弧を描く。
「あっ、またぁ。おまんこ、イク。エリちゃんのおまんこ、また、イクぅぅのぉ」
連続アクメが恵利子を襲う。
途端、陰茎を突き刺す蜜壺が痙攣すると、食い千切りそうな締めつけを見せる。
次の瞬間、男も後を追うように堪えに堪えた“思いの丈”で、極薄のポリウレタン容器を脹らませ満たす。
『エリちゃん、お兄ちゃんのぶっ太いおちんちんで、何回イッたの?」
淫猥な笑みをたたえ、男が嘯く。
「ぅぅぅぅっ ぁあぅ、全部でみっつ」
視点の定まらない恵利子は、水仕事もしたことのない白く柔らかい掌を広げて見せた。
『エリちゃんはエッチだなぁ。それは三つじゃなくて、五つだよ』
そう言うと男は“思いの丈”がたっぷり詰まったコンドームを外し、恵利子の目前に精液で汚れヌメリ気に包まれる陰茎をかざす。
「エリちゃん…… おちんちん、お兄ちゃん…… 好き、大好き」
恵利子は言い終えると、そっと陰茎を小さな口に含んだ。
(これで女子校生になった恵利子も、あの時のエリちゃんも俺の物だ)
そう心中にて呟きながら、男は恵利子の濡れ羽色の髪を優しく撫でた。
少女は男より注がれる“精”を吸い美しく輝き、その黒髪もまた艶を増しつづける。
長い睫毛に彩られた大きな瞳には、輝きだけではなく落ち着いた憂いも宿っている。
ワンピースからのぞく白い肌はまだ少女然としていたが、それでもどこか妖しい色香を放つ。
それは恵利子の内に狂気が宿ってしまったせいかもしれない。
ハロウィンの…… あの日、迷い戸惑いながらも、恵利子は“男の想い”を受容れた。
穢れ無き“少女のこころ”は打ち砕かれ、想い起こされた“幼きこころ”と溶け合い、大人の女へと変容したのだ。
避妊具越しではあっても、恵利子の絞りだした喘ぎ声で鼓膜を震わせ、戦慄く裸体の震えを感じ取った男はそれを確信した。
セックスの対象としてつけ狙ったのは、本当は恵利子に告げたずっと以前からであった。
それでも恵利子の清らかさ、美しさに恋い焦がれ続けてきたことは本当の気持ちだ。
けして叶わぬ想いゆえに、数え切れないほどの“精”を捧げてきた。
15歳に成長した“あの時の少女”を犯し、言いなりにさせるだけでは満足できなかった。
歪んだ想いを積み重ねられた月日が、男を狂気へと誘い淫魔へと変貌させたのだ。
想いを募らせた少女の“はじめて”を奪い、犯し続け、“よろこび”をも刻みつける。
男の目前では、麗しい少女が汚れた陰茎に傅いている。
楚々とした魅力薫らせる少女には、知られてはいけない秘密と知ってはいけない秘密がある。
ワンピースが掛けられたクローゼットの片隅には……
四年前、男は隣家に忍び……
……以前から知り得ており……
……踏み込み…… ……守る為……
でも…… ……想いを寄せる少年の……
……の為に、強いられ……
幼い少女の秘密は……
……今も眠る。