ふたりだけの ふたつずつの朝昼夜-4
それはキラキラ光る三色の粒だった。
お姉さんはそれを素早く口に入れると、ペットボトルの水をゴクゴクと飲んだ。
私は、
「それ、毒薬?」と言ってしまった。お姉さんは笑顔で答えた。
「これは、XX性物質なの。」
「XXセイブッシツ……そんなの飲んで大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないわよ。」
お姉さんは静かに話した。
「この三つの物質が、人間の胃液で少し溶けてまざり合うと、融合反応を起こして…… とんでもない爆発を起こすの。」
私は初めて知った。お姉さんは本気だったんだ。
「さあ、いつ反応が起きるかわからないから、いっしょに用意をしましょう!」
お姉さんはマントの内側から「マスク」を取り出して私にくれた。頭からかぶると、顔を半分隠してくれる「かぼちゃ坊や」のマスクだった。
それをかぶって石垣の上に立つと、広場は
ハッピー ハロウィン!
ハッピー ハロウィン!
と叫びながら踊るひとたちの群れで騒乱状態になっていた。
「これが嫌なの。」お姉さんが言った。
「こんな、ハッピーハロウィンって言えば なんでも許されるような夜が嫌なの。だからどうせ死ぬんなら、ハロウィンの夜に思いきり おおごとになるような事を起こしたかったの。」
ピュ〜ッ パン!
ピュ〜ッ パン!
ピュ〜ッ パン!
花火まであがりはじめた。お姉さんは言った。
「こんな騒ぎは今年限りになるかもね。来年からは、この日は『10・31』なんて言う、祈りを捧げる日になってしまうかもよ。」
お姉さんは、マントの前を開いた。
私も、マントの前を開いた。
二人、そうして立っていると、まえを通るひとたちが気付きはじめた。
「あれ、何? 等身大のフィギュア?」
「え、でもピクピク動いてるよ。」
「ロリと巨乳で、何のパフォーマンス?」
「すげえ、二人ワレメまでまる出しやん。」
「撮っていいわけ?撮っていいわけ?」
「もうちょっと股広げてくれないかなー。」
フラッシュがチカチカ光る。これはお姉さんの作戦。
私とお姉さんの裸でみんなを引き寄せて、爆発の被害を高めてやるんだと言ってた。
私は手をお姉さんの股間に伸ばした。
「おい、ロリが巨乳を攻めだしたぞ。」
「すげえ、手慣れた指づかいだな。」
「巨乳が腰をモゾモゾさせてるぜ。」
「やべ、これは動画だ。動画にしなくちゃ!」
「おい、前に出過ぎだろ!写せないだろ!」
ふふふ、私の指がお姉さんの奥からあふれる液でぐっしょり濡れてる。
これ、私のオナニーのやり方なんだ。
お姉さんがこんなに感じてくれるとは思わなかったわ。
前を見ると、たくさんのスマホが私たちの周りから狙ってる。
これだけたくさんのスマホがあれば、きっと誰かは 私とお姉さんとが星の世界へ吹っ飛ぶ「決定的瞬間」が撮れるかもね。