第九章の1 看護師M-1
「?ここは…。」
「パターン通りの目覚め方、ありがとう。」
「あ、ハルミさん。」
「病院よ、私の実家なの。」
「あ、そういえばお医者さんの家系でしたね。」
「うん。成り行きで私が主治医になったの。ちゃんと医師免許持ってるからご心配無く。遠慮しないでのんびりしてってね。」
「いや、病院にのんびりと言われても。」
「こうなった責任の三分の一はあるからね。」
「二分の一でしょ。」
「何言ってるの、あなたもさんざん楽しんだじゃない。」
「ま、まあ、そうですけどね…。」
「ふふ、半分冗談よ。後頭部打って意識なくしたわけだから、脳その他一通りの検査はしたけど、もう少し様子をみないといけないからね。」
「失礼しまーす。」
看護師さんが入ってきた。
「担当看護師のミヤタです、よろしくお願いします。」
「あ、どうも。よろしくお願いします。」
うわあ、穏やかで優しい目、そしてふくよかな顔とからだつきが安らぎを感じさせてくれる。いつまでも入院していたくなってしまった。
ハルミさんが俺の耳元で囁いた。
「イけると思ったら、いつでもヤっちゃっていいからね。」
「な、なに言ってるんですか。」
ハルミさんはミヤタさんの方を向いた。
「じゃ、あとよろしくね。優しくしてあげてね、優しくね、いい?優しくね。」
「はい。」
ハルミさん、白衣姿がサマになっていたなあ。靴屋の店長さんの時も素敵なアネさんだけど。
「あの、意識が戻られたばっかりのところを早速ですが、患部のケアさせていただきますねー。」
「はい。」
俺はうつ伏せになった。。
「いえ、そっちは十分回復されているので、仰向けのままでお願いしますー。」
「え、後頭部は?」
「軽い打撲ですから、冷やしただけですよー。」
「あ、はあ。どのくらい気を失ってたんですか?」
「一週間と…2日ですねー。」
「軽い打撲でそんなに!お恥ずかしい…。」
仰向けに戻りながら俺は気付いてしまった。もう一箇所の患部といえば…。
「はい、おシモ失礼しますねー。」
病衣をペロリと左右に開かれた。
「まあ!随分お元気になられましたねー。」
普通の下着ではなく、パンツタイプのオムツのようだ。中央部が綺麗なピラミッド形を描いて天を指している。
「いや、お恥ずかしい…。」
ミヤタさんはオムツのサイド部分をペリペリーっと破り、手前にめくった。呪縛を解かれた俺は、さらにズン、っと胸を張った。
「傷の確認をしながらおクスリしていきますねー。」
ミヤタさんは無菌手袋を慣れた手つきでベリ、っとはめ、左手で俺の先端をつまんでいろんな方向に向けながらフカフカの綿棒で少し粘り気のあるクスリをつー、つーっと塗ってくれた。
ここに入院する原因になったユリカさんとハルミさんから受け愛撫、というか虐待?とは正反対の、優しい扱いが心地よい。眠くなってきた。
「まあ、そんなに気持良さそうにされたら、ちょっとイタズラしたくなっちゃうじゃないですかー。」
「あー、ぜひー。」
半分眠りかかった無意識でそう言った。
「それセクハラですよー。ふふ。」
「そっちが先にー。」
俺はもうほぼ意識がない。ミヤタさんにつままれていろいろ動かされながら優しく撫で回されているうち、下腹部に馴染みのある感触が広がり始めた。こんなソフトタッチでこんなことになるなんて意外だ。だが、それは緩やかに高まっていき…。
「み、ミヤタさん、ちょっと休憩しませんか?」
「どうされましたかー?」
「いやちょっと、このままいくと少々迷惑をかけてしまいそうなもので。」
「出そうなんですかー?」
「あ、まあ、正直に言うとそうなんですけど…。」
「出していいですよー。」
「いや、そういうわけには。」
「かまいませんよー。初めてじゃありませんしー。」
「え、他の人も出ちゃうことがあるんですか?」
「無くはないですけど、あなたは別格です。毎日出ますからー。」
「意識がないのに?」
「ええ、ここだけはしっかり目覚めてらっしゃいましたよー。今日は特にお元気ですけどー。」
「出ちゃうもんなんだ。」
「最後にチョットだけお手伝いしますけどねー。」
「出させてるじゃないですか、それ。」
「そろそろお手伝いしてさしあげましょうかー?」
俺はもうジンジンが止められない。自分でなんとかしたくて手が宙を彷徨っているが、さすがにそれは…とか思っていると、ミヤタさんの顔をゆっくりと近づいてきて、唇で包み込んでくれた。舌先が優しく這い回り、唇がまとわりつくように上下する。目を閉じてされるままに身を任せているうち。
「う、ううっ…ああー…」
重力から開放され、ふわーっと浮かび上がりながら大気に溶けていくような安らぎと幸せにに包み込まれた。ミヤタさんの口の中に注ぎ込まれていく俺の微睡を、彼女はじっくりと味わうように舌の上を転がし、飲み下した。
「結構なお点前で。」
「お粗末さまです。」