〈破断される鶴翼〉-10
『し、幸せだよ俺は……オマエみたいな綺麗な女の…はふッ…女のオマンコにチ…チンポをブチ込めて…あ…あ…ッ!』
なんて情けない男なんだ……そして、なんて恐ろしい男なんだ……姦されながらも麻衣は思った……。
集団での犯罪に紛れ込まなければ女も抱けず、胸の内に溜め込んだ禍々しい欲望を発散する術すら持たない。
だからこそ《恐い》のだ。
嫌がる女性を捩じ伏せる事に興奮を覚え、その被害者である女性の苦悶を目の当たりにしても、何の痛痒も感じていない。
美しい女性に対する憎しみと欲情を同化させた獣……人間の姿をして人間の言葉を話せるとしても、この男達の集団は《獣の群れ》でしかない……。
「ん"ん"ん"ん"ッ!?」
男は抱えられていた左足を離させ、そして吊られている右足を持ち上げるように抱いて、互いの股間を密着させた。
挿入の深度はさっきより進み、麻衣は男の〈尖端〉の衝突を、股間の一番奥で感じるようになってしまっていた……。
『おいおい、何か声色が変わったんじゃねえかあ?』
『し、子宮口に俺のチンポが届いて…ッ…あは…し…締まりが急に強くッ…ふはッ…気持ち良い…!』
「む"ッ!!んぶッ!?ん"む"ッ!?」
こんなにも明確にグニュッグニュッと臓物が揺すられるという感覚は、麻衣には全く初めてのものだった。
如何にモテるといっても誰でも好いわけではなかったのだし、そもそもにして肌をあわせて優しく抱かれるだけで、麻衣は充分な快楽を得られていたのだ。
『チンポのデカさには…ヒヒ…自信があるんだ……も、もっと激しく…ッ…ヒヒヒッ…してやろうかあ?』
「ん"ッ!?ぶッ?ぷぅッ!!む"ッ!!」
《愛》という感情があるからこそ……。
その認識を打ち砕くような荒波が、麻衣の自我に激しく襲い掛かった。
確かに快楽でもなければ快感でもない。
精神的至福など微塵も感じていなかったし、あるのは吐き気すらする耐え難い《刺激》のみ。
それなのに真っ白だった尻には赤みが点し始め、秘穴は悍ましき肉棒を抱き締めるような筋肉の躍動を示す。
『す…凄え…ッ!突けば突くだけ…し…締まるうッ!』
「ッッ!!ッッ!!ッッ!!ッッ!!」
麻縄にがんじがらめにされ、あまつさえ命である頭髪までも緊縛の餌食にされた……。
「自分は道具なんかじゃない」
そう思っていたし、今もそう思っている。
だが、集団による強姦に曝された女体は誇りを忘れ、白岩麻衣という一人の女性が守ろうとした自尊心までも無にしようとしている。