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5センチの景色
【女性向け 官能小説】

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今まで気に留めてなかったけど、システムの人は割とどの会議にも同席する。
今の時代はシステム化しなきゃ何も始まらないんだと思うけど。

野口さんや山田さんや楠さんの会議に今まで通り同行すると
半分ぐらいの割合で安達さんに会った。

今までこんなに会った記憶はないから
安達さんの出席する会議に申し合わせたように
私を連れて行ってくれているのかもしれない。

あの、綺麗なおねー様ももちろん一緒の事が多いんだけど。

システムは走りまわらないらしい。
小さなノートパソコンを1人1台ずつもって、メモ帳さえ持っていない。
システムの女性たちが化粧が落ちているのを見たことがないし
あんなに高いヒールで仕事できるの?って靴を履いている。

私の様に、会議から会議に走り回って
重い資料を運び、化粧直しもする時間がない経管とは同じ会社だとは思えない。

私は相変わらず、走りやすい低いパンプスで
スーツはよれて口紅も取れかかっていた。

「あ、高橋サン」

安達さんは、当たり前だけど会社では私を名字で呼び
視線があったら必ず笑いながら片手をあげてくれる。

その行為は有名で当たり前のものになって。

そしてその横に、必ずあの綺麗な人が不機嫌な顔をして立っていた。

そのたびに思うの。
何で安達さんは、こんな私に時間を割いているんだろうって。




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