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優しい椅子
【その他 官能小説】

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優しい椅子-3

 「次。」
 モニタの表示が二分割され、あゆかのパンティを下から映している画像の隣に、座っている男の股間を正面からとらえた映像が並んだ。暗い場所でスポットライトで照らされているようだ。
 「また男性ですね。」
 あゆかは余裕だ。普通にズボンを穿いている男の映像にすぎないからだろう。
 「こうしたらどうかな?」
 男がジッパーを降ろした。パンツを突き破りそうな勢いで何かが飛び出してきた。
 一瞬右頬がピクっとなったが、あゆかはもう目をそらさない。しっかりと見つめている。
  「悠里くんのここ、さらにシミが広がってきたね。」
 ポインターで示した。
 「そ、そんなこと…。」
 彼女は少し俯いたが、視線は男の股間から外さない。
 「パンツの中も見たい?」
 「あ、あの…。見た…い…かな、いえいえ、えっと…」
 「こう?」
 パンツの前の合わせ目が開かれていく。
 あゆかが息を飲んだ。
 「せ、先生、もしかしてこれって…。」
 「そう、僕のライブ映像だよ。机の中にカメラを仕込んである。」
 「…その机の向こう側に、先生の、そ、それが、ある、ということですか?」
 「そうだよ。机をどければナマで見える。あるいは立ち上がるか。どっちにする?」
 「で、では立ち上がって下さ…いえあの。」
 「こう?」
 俺は立ち上がりかけ、座った。
 あゆかが何とも言えない目で俺を見た。
 「本当はパンツじゃなく、その中身がみたいんじゃないのかい?」
 口をもぐもぐさせるが、言葉が出てこない。理由は簡単だ。
 「見たいんだろ?だったら先に君が見せなさい。」
 「え…。」
 「生物学の実験だよ。僕のここはこんなふうになってしまっている。君のここもこんなにもパンティを濡らしている。つまり、二人とも互いに性欲を感じている状態だ。そうだね?」
 ポインターを動かし、俺とあゆかのそこを交互に指し示した。
 「はい、私は先生の、あの…、そこに性欲を感じます。」
 「よろしい。ならば性欲を感じている同士の体がどうなっているのか、具体的に観察しようじゃないか。」
 「観察…。」
 「さあ、パンティを脱いで直接椅子に座るんだ。」
 「そんな…こと…。出来るわけないじゃありませんか。」
 俺は大げさにため息をついてみせた。
 「そうか。残念だ。非常にデリケートな実験だからね、両者の合意が得られなければ続けられない。じゃ、僕のこれはズボンの中にしまうね。」
 俺はパンツをズボンの中に押し込み、ジッパーに手をかけた。
 「…ま、まって、待って下さい…。」
 俺は手を止めた。
 あゆかはパンティのゴムに両手をかけたまましばし逡巡していたが、少しお尻を持ち上げ、目をつぶってそれをスルリ、とめくった。その時、パンティの内側が糸を引いているのがカメラ越しに見えた。
 彼女は上げていたお尻を降ろした。
 ブジュル。
 「え…。」
 あゆかと椅子の間に挟まれた空気が音をたてた。
 彼女はスカートの中を覗き込んだが、よっぽど体が柔らかくなければ直接は見えないだろう。
 「モニタで見なさい、悠里くん。」
 「あ、はい。」
 あゆかの体重で彼女の谷間が座面の細く高い盛り上がりと密着し、そこを左右に大きく押し広げ、奥底深くまで余すところなく見せている。
 「私のここがこんなことに…。」
 「そうだね。窓の外のナメクジのようにベチャっと密着していて、通常はありえないヴィジュアルだから、凄くそそるよ。」
 「そそる…せせせ性欲を感じるという事ですか?私のこれを見て。せせせ先生が。」
 「そうだよ。」
 ああ、そういうことか。ならば話は早い。
 「僕が君のそこに性欲を感じては困るのかい?」
 「いえいえいえ、あの、むしろ、なんていうか、うれしい…かな。へへ。」
 「ほう、そう思ってくれるなら僕もうれしいよ。ただ、これは学問だからね、そこを忘れないように。」
 舞い上がっているところへ冷や水を浴びせかけてやった。
 「う…。」
 シュンとしてしまったが、そんなあゆかも悪くない。
 「さて、恋は性欲。そこまではいいね?」
 「はい。」
 「では質問。性欲の対象である恋の相手がすぐ傍にいない、またはそもそも相手をしてくれない場合、君はどうする?いや、どうしてる?」
 あゆかは口を閉ざした。それはつまり、しているということを白状したに等しい。
 「答えなさい、悠里くん。」
 目が泳いだ。
 「…触れて、動かして…。」
 「どこに何で触れてどう動かすんだい?」
 あゆかは観念したように息を吐いた。
 「ここを…。」
 スカートの中に手を入れて椅子の下に回し、ある部分をトントン、と指し示した。そこは圧力でへしゃげては居るが、プクリと膨らんでいることが窺い知れる。
 「指先で、撫でたり擦ったり摘まんだりしごいたりブルブル振動させたり…いろんなことをします。」
 「なるほど。で、今、それをしたいという欲求はあるかね?」
 「あ、あのぉ…。」
 「なんだい?」
 「…正直に言っていいですか?」
 「もちろんだよ。」
 「したくて…したくてたまりません!でも、学問だから…。」
 あゆかは何かに耐えるように両足をキュっと閉じた。
 「悠里くん。」
 俺は諭すように言った。
 「学問だからこそあるがままでなくてはならないんだよ。さあ、しなさい。」
 「先生!」
 「と言いたいところだけど。」
 あゆかは泣きそうな顔になった。そりゃそうだろう。ガマンにガマンを重ねて、やっと許可を得て出来ると思った矢先に止められたのだから。余計に疼いてどうしようもなくなっているはずだ。


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