月明かりの夜に〜彼女たちの秘密〜-5
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あのときと同じ、柔らかで温かい感触。
だけど、あのときよりもずっとドキドキしている。
唇を触れ合わせているだけで、ぞくぞくと背筋が震えた。
どちらからともなく、お互いの舌を吸い合い、唾液を絡めた。
いつまでも続けていたくなるようなキス。
髪を撫で合い、口の中を探り合う。
はあ、はあ、とふたりの息遣いが荒くなっていく。
体の芯が燃えるように熱くなってくる。
絹糸のように美しい莉乃の髪はいつまで撫でていても飽きることがない。
だけど、これじゃ足りないと思った。
どうにかして、もっと莉乃に近づきたい。
もっと莉乃のことを知りたい。
ほっそりとした肩を両腕で抱きながら、赤く染まった頬や、真っ白なうなじにも口づけた。
唇の位置をずらすごとに、莉乃がびくんと体を震わせる。
それがたまらなく愛おしく思えた。
何もかもが作り物のように綺麗な莉乃の体。
口をつけるだけでは足らず、首筋から鎖骨のくぼみに舌を這わせた。
しっとりと甘い汗の味がする。
莉乃が小刻みに震えながら、小さな声を漏らし始めた。
「あ、あっ……真由……」
「やめてほしい? だったら、そう言って」
「違うの、真由にならいい……何をされても……」
掠れた声。
莉乃が背中に爪を立ててくる。
心臓が破裂しそうな勢いで鼓動を打っている。
莉乃の声を聞いているだけで、両脚の間がじゅんと熱く湿っていく。
もっとこの声を聞きたい。
背中のファスナーに手を掛け、一気に引き下ろした。
ワンピースの布地を押し下げ、ブラジャーのホックも外した。
カップの下から、ほっそりとした体形には不似合いなたっぷりと量感のある乳房がこぼれ出て、ふるん、と重そうに揺れた。
ぎゅっ、とつかんでみると、餅のようにやわらかくてすべすべしているのに、指を跳ね返してくるような強い弾力もある。
その先端にある薄桃色の小さな乳首は、ぽっちりと丸く尖って突き出ていた。
莉乃が恥ずかしそうに、いやいやと首を振る。
「あ、あんまり見ないで。恥ずかしい」
「莉乃の胸、大きいのね。それにすごく柔らかい、もっと触りたい……だめ?」
「いいけど……あ、んんっ……」
やんわりと乳房を揉み、硬くなった乳首のまわりをねっとりと時間をかけて舐めた。
乳輪の周囲から突起の先端まで、たっぷりと唾液をまぶしながら。
口の中に咥えて強く吸ってやると、莉乃は背中をのけぞらせて小さな悲鳴のような声をあげた。
「あぁっ……! だ、だめ、これ以上は」
「どうして? さっきは何をしてもいいって言ったのに」
「だ、だって、止められなくなっちゃう……こんなの、良くないでしょう?」
「良くないことがしたいの。普通じゃない、特別なこと。莉乃と一緒に」
きつく歯を立てて乳頭の根元を噛みながら、ちろちろと先端を舐めまわした。
そうしながらもう片方の乳首を指でつまんで捏ね回すと、莉乃はもうだめだとは言わなくなった。
真由にされるがまま、淫らな声をあげ続けている。
そのうちに、莉乃がもじもじと太ももを擦り合わせているのに気が付いた。
めくれ上がったワンピースの下からのぞく、白く長い脚が妙にいやらしく見えた。
太ももの内側に指を滑り込ませ、そろりそろりと焦らすように撫でてやると、莉乃は反射的に両脚を閉じようとした。
「そ、そこはだめ、本当に」
「なんでそんなこと言うの? わたし、莉乃の全部が知りたいのに」
「でも……」
屋外で脱がされ、親友の手で犯されていく。
その羞恥に身を震わせる莉乃の姿は、狂おしいまでに美しく愛おしい。
もっと恥ずかしがらせてやりたい、もっと泣かせてやりたい、気が狂うまで感じさせてみたい。
そうして莉乃の体を全部、自分の思い通りに操ってみたい。
莉乃をわたしだけのものにしたい。
自分でも思いもしなかったような欲望が、次から次へと湧き上がってくる。
強引に下着を引き下ろし、莉乃の陰部をまさぐった。
ざらりとした陰毛の感触。
その奥に隠されていた秘密の割れ目は、溢れ出てくる蜜液にぐっしょりと熱く濡れていた。
莉乃は真由にしがみつき、怯えるように震えている。
体の奥が疼く。
理性が消え失せ、脳が欲望だけに支配されていく。
真由は指先でいやらしい裂け目を押し広げ、その中央を指の腹でなぞりながら、莉乃の耳元に囁いた。
「莉乃のここ、びちょびちょになってる。ねえ、どうして?」
「だ、だって、真由が」
「おっぱい舐められて感じちゃったんだ? 莉乃がそんなエッチな子だなんて知らなかった」
「こ、こんなの初めてなの……わたし、真由のこと、ひとりでずっと考えて……」
「わたしのこと?」
「わかるでしょう? ひとりで、ね……してたの……」
「自分で触ってたの? わたしのこと考えながら?」
「ご、ごめんね。でも、真由じゃないと、感じないの。だから、ずっと」
莉乃のささやかな告白に、心が躍った。
自分の中の足りなかったものが満たされていく。
でも、まだ。