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月明かりの夜に〜彼女たちの秘密〜
【同性愛♀ 官能小説】

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月明かりの夜に〜彼女たちの秘密〜-7

「や、やだ……しなくていい、そんな」
「したいの。きっと、指よりもっと気持ちいいよ」
 気持ちいい声、聴かせて。
 そう言って、莉乃が秘裂の狭間に舌を差し入れてくる。
 ぬるついた舌先が、ぺちゃぺちゃと音を鳴らしながら溢れかえった蜜液を舐めとっていく。
 淫らな粘膜はさらなる愛撫を求めるように、ひくつきながら莉乃の舌を受け入れていく。
 皮膚も、骨も、体を構成するすべての細胞が崩されてしまいそうな快楽。
 もっと欲しい。
 どうしてこの悦びをいままで知らなかったんだろう。
 普通じゃないこと。
 特別なこと。
 求めていたものは莉乃との行為の中にある。
 ぬちゅっ、と真由の入り口に舌が沈み込んできた。
 体内で蠢く舌の感触に、感覚神経が弄ばれていく。
 溶ける、溶かされてしまう。
 もう、戻れない。
 真由は喘ぎと泣き声に紛れさせながら、莉乃を呼んだ。
「莉乃……」
「真由、気持ちいい?」
「いい、頭が変になっちゃうくらい……でも、もう莉乃がいなくちゃ生きていけない……」
「わたしも。真由が一緒じゃないなんて嫌」
 当然だといわんばかりの返事が嬉しかった。
「毎日、ずっと一緒にいたい。それで、いっぱいキスして、エッチなこともしたい。全部、莉乃が相手じゃなきゃだめなの」
「じゃあ、ふたりで逃げちゃうか。誰も知らないところまで」
「うん、逃げたい」
 仕事も、彼氏も、家族も捨てて。
 それは素晴らしい考えのように思えた。
 くだらない人生に別れを告げ、明日からは自分に正直に生きる。
「本当にそんなこと、できると思う?」
「真由と一緒なら、どこにでも行くよ。なんだってできる」
 ふたり一緒なら、怖いことなんて何もない。
 莉乃の言葉が、真由の背中を押した。
 何十年も先まで敷かれていたレールから外れた道を選び、自分の足で歩くときがきたのだと思った。
 月はまだ真上にあり、静かに輝きながらふたりを照らしている。
 真由は莉乃の乱れた髪を指できれいに梳かしてやった後、薬指に嵌められていた銀色のリングをそっと外した。

(おわり)


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