愛の輪舞-4
4.
一線を越えて自信を深めた春夫は、折に触れてマユを求めた。
マユも春夫の愛の証と思って受け入れた。
勉強の切れ間に、母親がお茶とクッキーを運んで部屋を出ると、部屋のドアに鍵を掛けてマユをベッドに誘った。
始めは痛がったマユも、回数が重なるにつれてぎごちなく迎え腰を使うようになった。
春夫も、自分の腰に反応してたどたどしく腰を使うマユを、この上なく愛しいと思った。
やがて身体に異変を感じたマユは、薬局から妊娠テストキットを買ってきた。結果は、陽性だった。
全て春夫任せだったマユは、この結果に動転した。
「春夫先生、妊娠したみたい。どうしよう???」
涙を浮かべるマユの手を、春夫はしっかりと握った。
「心配しないでいいよ」
春夫は、初めから避妊を考えていなかった。妊娠をしたら、堕すか産むか、その時に考えよう。いづれにしても、マユは自分から離れられなくなる。
「マユちゃんは、産みたいの?それとも堕してもいいの?」
「もちろん、春夫先生の赤ちゃんは産みたいわ、でも今産んでも私には育てられない」
「分かった、僕もマユちゃんに出来た赤ちゃんだから、産んで欲しい。折を見てご両親と相談するから、心配しないで」
それから一月が経った。
マユに、ツワリの症状が見え始めた。
春夫は、母親の美佐子に折り入って相談があるからと、自分のアパートに呼んだ。
(経験のある母親は、おそらくマユのツワリに気がついているだろう、現実を知った今なら話がし易い)
約束の時間に、美佐子が春夫の部屋を訪れた。
「お母さん、僕はマユさんを愛しています。マユさんも、赤ちゃんを産みたいといっています。必ず結婚をして、マユさんを幸せにしますから、何とか助けてください」
「私たちにも初めての孫ですから、マユに産んで欲しい。夫とも相談しますが、私に考えがあります。聞いてください」