新たな未来への芽生え-1
「あっ、おーい!」
快晴の青空の元、待ち合わせ場所に愛おしい彼が姿を現し、私を目にするや否や大きく手を振り、駆け寄る。
「待った?」
「ううん!行きましょ!」
彼に誘われ、馴染みの水族館へと向かう。
「………。」
駄目だな私、また風馬君に心配掛けてるんだ。
明るい表情でしっかりとした足取りで入り口へ向かう彼とは対象に暗い顔で地面に視線を落とす私。
…色んな事があってそんな私を見て元気づけようとして、誘ってくれたんだろう。
「…ちゃん。」
こんなんじゃ彼女失格ね。
「若葉ちゃん!」
「っ!!」
彼が声をあげ我に返る。
「あ、ごめん何?」
「あーいや、どーしたのかなーって、元気なさそうだったから。」
「べ、別に!ささっ、お魚さん、鑑賞しましょう!」
そんな曇った心の自分を振り払うようにツカツカとした足取りで中へ向かう。
駄目よ!こんなことじゃ…