女の悦び-4
ワインは衛の言い付けだ。
相手も緊張してるだろうから、好物のワインを出してリラックスさせてあげるように言われていた。
(衛さんたら…ホントなの?…よりによって川島さんだなんて。いつもは紳士的なんだけど、たまにセクハラしてくるから苦手…。でも…衛さんが選んだ人だもの、頑張るね)
川島はキッチンの方を振り向き、手際よく支度する香織を見た。
(旦那が居ないのに昼間とはいえ、男を家にあげてアルコール…それにあのエロい格好…単に不防備なのか、それとも他に何かあるのか…)
川島は正面を向き直り考えていると、程なくして香織がワインとグラス二つ、おつまみを盆に乗せて戻った。
「お待たせしました」
香織はそう言いながら川島の足元に正座して、盆に乗せたものを丁寧にテーブルに並べた。
少し動くだけでプルプルと波打つ乳房…川島は溢れそうな胸の谷間に目が釘付けになった。
香織は膝立ちになってワインボトルを持ち、
「どうぞ」
と言いながらグラスに注いだ。
川島は香織の横に置いた盆のグラスを見て、
「こりゃどうも…せっかくだから奥さん、乾杯しましょうか」
ワインボトルを掴み、香織にグラスを取るよう促した。
「はい、それじゃあ少し頂きます」
香織は素直に従い、グラスを合わせた。
「うん、良いワインだ」
川島は一口飲んで呟いた。
「お口に合って良かったですわ」
香織も一口飲んだあと、眩しい笑顔で嬉しそうに答えた。