夫の計画-5
翌朝…香織は衛を見送る為に、衛の運転で空港に向かった。
車の中で衛は、土曜日にその人が来たときにどうすれば良いか、日本に帰った時、その日の出来事を香織の口から細かく報告して欲しいことなど、切々と教えた。
そして、別れ際…
「あ、俺の書斎に服買って置いてあるから、土曜日に着ればいい。」
「え…うん、アリガト」
暫く会えない寂しさで、涙を流しながら香織は答えた。
最後に衛は香織の背中を押した。
「香織、これは浮気じゃない。俺の為に…な」
「じゃあ…」
「はい、衛さん、行ってらっしゃい。身体に気を付けてね」
手を振り大粒の泪を流しながら、香織は衛を見送った。