初体験-2
中から出て来たもの…それはローター。
香織はピンクの楕円形を手に取って眺めた。
「何かしら?これ…えと、ここに電池を入れるのね⁈」
初めて見るローターが何なのか分からず、香織は電池を入れてスイッチを入れた。
するとピンクの楕円形はブーンと振動し、テーブルの上をカタカタと音を立てて這い回った。
「きゃっ、何?何これっ」
慌ててスイッチを切って、もう一度手に取って観察したものの分からない。
「衛さんが帰ったら聞いてみよう…こっちの大きい方は何かしら…」
そう呟きながら同じように几帳面に包装紙を剥いて箱を開けると、男性器の形をしたバイブが見えた。
「きゃっ、な、何⁉」
香織は思わず箱を放り出してしまった。
「やだっ、何なの⁉…」
心臓がバクバクしてどうして良いのか分からなかったが、暫くして落ち着きを取り戻し、改めて箱の中身を見た。
そして恐る恐るバイブを手に取った。
初めてみるバイブ…さっきのローターと同じく、香織が好きなピンク色だ。
衛のソレとは違い、傘がプックリ大きくエラが張り存在を誇示している。
香織は躰が熱くなるのを感じながら、握ってみた。
「スゴい…太い…」
衛よりひと周り太く、長い。
香織は衛以外の男性経験がなく、ウブなタイプだが、これを何に使うかは容易に理解できた。
そして、さっきのローターもその使い方が繋がった。
「こんなの入んないわ…」
香織はそう呟きながら、セックスレスの自分の為に入ることさえ躊躇したであろうアダルト店で買って来てくれた衛の優しさに、紅潮した頬に一筋の涙が伝った。