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笑わない女
【ファンタジー 官能小説】

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笑わない女-2

 病院の入っているビルから外へ出た。家を出たときはジメジメと雨がくすぶる空模様だったのに、今はウソのように晴れやかな青い空が天球いっぱいに広がっている。所々地面に残る湿り気や葉っぱに乗った水滴が、微かに雨の気配を残している。それらが消えるのも時間の問題だろう。それ程に日差しが強い。
 このまま帰ってしまうのがなんだか惜しくなった俺は、もう何年も足を向ける気になれなかった大型ショッピングモールの方へと歩き出した。
 ほどなく、大きなガラス張りのエントランスゲートが見えてきた。
 かつて毎週のように来ていたこのモールは、幾つかの店が入れ替わっていたものの、あの頃とほとんど変っていなかった。
 モールの真ん中あたりには大きな円形の広場がある。そこには、不思議なキカイを腹の中に収めた見上げるように高い塔が立っている。
 リフトで頂上まで運ばれた玉が、物理的な落下エネルギーのみによって作動する様々な仕掛けを通って最下段に至り、再びリフトで頂上へ、という一連の動きを延々と繰り返すというものだ。
 飛んで、跳ねて、グルグル回って、シーソーを渡る。
 金属板の上を転がってメロディーを奏で、色とりどりのライトを揺らす。
 家族連れやカップルなど、誰もが見とれ、しばし見上げた魔法の塔は、今では足を止める者すら居ない。
 壊れ錆び付き、玉は中途半端なところで静止している。
 いつの間にか隣に立っていた黒いロングヘアーの女性が、動いていた頃の塔が見えているかのように、じっと視線を投げかけている。
 記憶の中で頂上までリフトアップされた球が転がり始め、塔の底にたどり着く頃、俺と彼女は唇を重ね、並んで歩き始めた。
 清楚だけれど地味ではない白いブラウスは、二つの膨らみに胸を押し上げられ、ベルトで少し絞ったようなデザインのウェストは、ぴったりと身に沿っている。
 緩やかな曲線を纏った膝丈の赤いフレアスカートが風に揺れ、その下に伸びる白く滑らかな二本の足があまり踵の高くない赤いパンプスへと滑り込んでいる。
 少し歩くと公園に出た。風向きによっては磯の香りの漂ってくるこの公園は、木立と芝生の絶妙なバランスで構成されており、緩やかなアップダウンの細道は、所々に小川や滝や石畳や木製のデッキや橋などが現れ、散策者を愉しませる。
 あたりはもうオレンジ色の空に包まれようとしていた。
 木陰にある木製のベンチに並んで座り、肩を抱き寄せた。彼女は俺に頭を預けてきた。肌の温もりと髪の匂い。微かに聞こえる息遣い、上下する肩と呼吸の衣擦れ。
 彼女は俺の唇を求めてきた。俺はそれに応じた。
 しっとりと潤い、柔らかくあたたかな唇の間へと舌を潜り込ませ、口の中で唾液とともに絡め合った。
 彼女の首筋から、長い黒髪の内側へと手を差し入れ、剥き出しになった耳たぶを軽く噛んだ。少しくすぐったそうだったが、数回繰り返すと急に俺の方を振り向き、のしかかってきた。
 木立などが点在するとはいえ、いつ誰が通りかかるか分からない冷たい木のベンチに押し倒された俺は、キスの嵐を受けながら下へと手を伸ばし、彼女の赤いフレアスカートをたくし上げた。
 太腿の裏側に手を乗せた。しっとりと吸い付くような手触りと体温を感じながら手のひらを手前へと這い上がらせ、下着の上から尻を軽く掴んだ。
 彼女は小さなため息のようなものを漏らした。そしてゆっくりと俺から降りて立ち上がり、自分で清楚な白いブラウスを脱いだ。
 ベージュの下着のホックを外し、肩ひもを抜き、地面に落とすと、プリっと上を向いた乳房と既に固くなっている乳首が現れた。
 俺は身を起こして座りなおした。すると彼女は歩み寄り、俺の右手を取って自分の左胸に重ねた。手のひらに包み込まれたそれは弾力に富みつつ、まるで質量が無いかのように柔らかかった。
 空いている左手で背中を抱き寄せ、右乳首に下から唇を這わせると、彼女の息遣いがはっきりと激しくなった。しかも、俺の頭を抱え、自分から押し付けてきて、一瞬息が出来なくなるほど顔を埋められた。
 左胸に重ねていた右手を彼女に密着させたままウェストへと辿らせ、スカートのホックを外しジッパーを下げた。それは、重力のままに地面に落ちた。
 淡い紫の布に白いリボンが付いただけのシンプルで上品な下着が、彼女の右胸とそれを舐めている俺の口元との隙間から垣間見えた。
 右手をウェストから背中へと這わせ、そのまま下着の中へと侵入させた。尻を撫でながらさらに下へと手を降ろしていくと、俺の手に押し下げられて下着の後ろ側がペロリと捲れた。
 左手をヘソのあたりから下着に差し入れた。サワサワと心地よい茂みの感触を少し楽しんでから、両手で彼女の下着を一気に引きずり降ろした。彼女は一瞬身を固くしたが抵抗はしなかった。
 彼女は俺から体を離し、パンプスを脱いで下着を足首から抜き取った。所々にある公園の灯りに映し出された全裸の彼女のシルエットは、この上もなく清楚で、この上もなく淫らで、この上もなく胸の奥をくすぐった。


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