遠隔操作ローター-1
今日優太は、希が仕事を終えた後の夜19時に秋葉原で待ち合わせをしている。それは当然駅前にあるアダルトグッズを大量に販売している店に行き玩具を買うためだ。一気に買ってしまうと楽しみが減るので、1回の買い物に対して1種類の玩具を買う事に決めた。今日はまずローターを買う予定であった。
「お待たせ♪」
最近妙に大好きなスーツ姿で手を振って向かってくる希。優太もニコッと笑い軽く手を挙げて答える。
「待った??」
「ううん?俺も今来たとこ。」
「じゃ、行こっか。」
「うん。」
希は優太の腕に抱きつくように歩く。何も知らない優太はあっちの方かな、こっちかなとアダルトショップのありそうな場所を探して見た。
「ここよ?」
「え?」
まだ駅から出てそんなに歩いていない。と言うかほぼ出たばかりだ。
「え??こ、これ!?てかこんな駅前にアダルトショップなんてあるの??」
「うん。」
「…東京ってスゲーな…」
普通入るとこなどを誰にも見られたくないし、店側も人通りから少し離れた場所など目立たない場所に店を構えるものだ。しかし駅前も駅前、人通りの激しい場所に堂々と立つアダルトショップにまず優太はカルチャーショックを受けた。
「あ…」
茶髪のミニスカートのギャルがまるで洋服屋に入るかのように普通にアダルトショップに入って行くのが見えた。
「え?マジ??」
「ほら、あんまりオドオドしないの。逆に堂々と入った方が目立たないのよ?」
「で、でも…」
店頭に激安バイブがまるでバナナを売っているかのように並んでいる。通りかかる普通の女性が物欲しそうに眺めながら歩いている光景にも驚かされた。田舎モンには受け入れがたい現実であった。
「さ、入るわよ?」
希に腕を引かれ優太はとうとうアダルトショップに足を踏み入れた。
「今日はローター買うから3階ね?」
このビルは5階建てである。1階はAV、2階はローションやコスプレや男性用オナグッズ、3階がローター、4階がバイブ、5階がSM器具が主に売っている。2人はすれ違うのもきついような螺旋状の階段を登って行く。
2階には男性客がたくさんいた。中にはチラッとこちらを見る者もいる。きっとエロい目で希を見ているのだろう。しかしそれに腹を立てる余裕すらない優太は希に腕を引かれそそくさと階段を上がって行くのであった。
「わっ…!」
3階に着くと、フロアには男性客よりも多くの女性客がいた。カップルで楽しそうに選んでいる客や、1人で真剣に品定めしている女性の姿に驚きを覚えたのであった。