投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

元人妻との恋
【フェチ/マニア 官能小説】

元人妻との恋の最初へ 元人妻との恋 53 元人妻との恋 55 元人妻との恋の最後へ

旅館の寝室-2

美奈子は笑って僕を見つめてくれてくれていた。和室の寝室は静寂な暗闇に包まれていた。

「ねぇ、寝付けないの?」
「そうだよ。色々な事を真面目に考えると寝れなくなる」
「やだ、真面目。もっと適当でいいのよ」
「適当ねぇ。適当って何なんだ?」
「そのままよ。適当に思ったことをする。適当にその時をやり過ごす。それだけよ」

大人の返答だった。28歳の美奈子に溜息を零しそうになってしまっていた。僕には佳奈という彼女がいる。彼女と言っても正式に彼氏と認められてるかというと、ちょっと違うような気がする。佳奈には新しい男がいるようだ。佳奈は社会人になった事でどんどん変わり始めている。佳奈のことを心から愛おしく思っている。だけど、今の僕は美奈子さんと過ごしている。この矛盾は何だっていうんだ。美奈子に本当の事を伝えることはできなかった。

「流石、元人妻は違う」

適当に返答を返し、美奈子を布団に呼び寄せて柔らかい身体にしがみつくように抱きついて睡魔が訪れるまで女の体の感触に全てを預けて目を閉じることしかできなかった。


本当はありのままを伝えるべきだったのかもしれない。だけど、当時の僕にはその勇気を身に付けていなかった。新たに現れた佳奈の新しい男に対する嫉妬心に恐れ、確信から背をそむけ続けた温泉旅行だった。


元人妻との恋の最初へ 元人妻との恋 53 元人妻との恋 55 元人妻との恋の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前