第0章 女刑事コンビ-8
さすがに眠くなり2人はウトウトしているうちに寝てしまった。目を覚ましたのは昼過ぎであった。2人とも髪をボサボサにして一階に降りた。
「マギーちゃんおはよう!」
リビングでテレビを見ながらお茶を飲んでいた華英の母、雪子がニコッと笑う。
「おはようございます。すみません、またお邪魔してしまいました。」
「いいのよ、気にしないで。まー2人とも頭ボサボサでだらしないわねぇ。髪とかして顔洗って来なさい?」
「はい…」
「ハーイ」
まだ寝ぼけ眼で洗面所に行き顔を洗い髪をとかす。2人ともダルそうにリビングに戻るとコーヒーが置いてあった。
「あり合わせしかないけどご飯作るから待っててね?」
「すみません…」
マギーはようやく目が覚めて来た。華英はまだ眠そうだ。マギーはふっと立ち上がり雪子の元へ行く。
「お手伝いします。」
「いいから。休んで待ってて?」
「でも…」
「偉いわね、マギーちゃんは。それに比べてウチのグーダラお嬢様は。フフッ」
「何よぅ!?」
あぐらをかいて不貞腐れる華英に雪子は笑う。
「いいよ、マギーちゃん。座ってて?」
「す、すみません…」
申し訳なさそうにマギーは戻る。
テレビを見ていると家族の温もりを表しているかのように湯気を漂わせる食事を運んできた雪子。
「あり合わせで申し訳ないけど我慢してね?」
「いえ、美味しそうです。お母さんのご飯、いつも美味しいです。」
雪子はいつも通りに優しい口調で言った。
「そう言ってくれると嬉しいわ♪」
そんな雪子にお辞儀をすると、いただきますも言わずに食べ始めた華英をよそに、マギーは感謝の意を表してから食事を口にした。
「華英にマギーちゃんみたいなお姉ちゃんがいたらもっとお行儀のいい娘に育ったのかなぁ?」
「はっ!?私お行儀悪くないけど??」
「そんなんだから彼氏も出来ないのよ?アハハ!」
「出来ないんじゃくて、選ぶのが大変なだけです〜!」
「そうは見えないけど〜?」
「ムカつく〜」
プンプンしながら納豆とごはんをかき込む華英。そんな2人をマギーは仲の良い親子に羨ましく思いながら見ていた。
「お父さんもマギーちゃんにメロメロだからねぇ。」
「そんな事ないですよ…」
「あ、今度ウチでお酒飲む約束してたよ?」
「うん、お父さん嬉しそうに言ってたわ。みんなで飲みましょうね、今度。」
「ハイ、是非♪」
家族という雰囲気に触れるこの時間はいつも刑事としての自分を忘れられる癒しの時間に感じる。それだけでマギーは心身ともにリフレッシュ出来るのであった。