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海外赴任
【フェチ/マニア 官能小説】

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ダリアの引継ぎ-12

ダリアは予定より遅い14時過ぎにようやく最後の仕事に訪れてくれていた。昼食を食べている時から落ち着きなくダリアを待っていたエレナは、ようやくの訪問に飛び跳ねるように玄関に走って行ってしまっていた。

「こんにちは。今日で最後ね」
「その通りだ。ダリアのお陰で今の僕がある。心から感謝してます」
「わたしも楽しかったわよ。ありがとう。最後は何を教えれば良いかしら?」
「ダリア、最後に2つだけ教えてあげてもらいたい。1つは僕の癖だ。最後の一つは、ダリアの優しさだよ」
「素敵ね。貴方らしいわ。やっておくから部屋でゆっくりして待ってなさい」

ダリアは大人の笑顔で僕をあしらってエレナとの最後の引き継ぎに手を取って歩き出していた。真面目な表情でダリアに着いて行くエレナを見届けた僕は、部屋に戻って仕事を始めて全てをダリアに任せることにしてあげて いた。ダリアは、僕が収める税金や接待とし利用す料理店の手配やスケジュール調整もしてくれていた。その手の家政婦だけではなく、本物の秘書もデキる有能な女性だった。そんはダリアを手放すのは惜しかったけれど、ダリアの家庭都合で辞めることになった以上は仕方がない事だった。だけど、エレナと過ごした2日間で全ての懸念が回避できることを確信していた。税の処理は業者を手配して済ませるように明日業者と会うアポイントは取りつけていた。地元でもてなす料理店はエレナのセンスに任せることで十分だった。残りのスケジュール調整は、これからは自分で管理していけば何一つ問題はなかった。僕はそろそろ40代を控える37歳になろうとしていた。独り立ちする年頃としては遅すぎる事を十分理解してのダリアとの契約終了だった。部屋に戻り明日の業者との最終調整を行い、投資信託の利幅状況と多額の料金を払って手に入れているベンチャー企業の統廃合情報に向き合ってダリアの引き継ぎが終わるまでを過ごしていた。

「珈琲を淹れたわ。これも最後ね」

ダリアは慣れた仕草で仕事部屋を開けて、独りで僕の手元に香ばしい珈琲を置いてくれていた。

「エレナとの引き継ぎはどうだい?」
「問題ないわ。貴方の趣味はしっかり伝えておいたから安心していいわ。あと少しで終わるからそれまでここで待っているのよ」

仕事部屋を後にしようとしたダリアの手を取って抱きしめてあげていた。

「ダリア、本当にありがとう。ダリアのお陰で明日を向けた日々が沢山あったよ。心からから感謝している。僕の全てを受け止めてくれて本当にありがとう」
「ちょっと、私を泣かせるつもり?エレナちゃんが心配そうに私を待ってると思うわ。エレナちゃんの事を大切にするのよ」

顔を近付けたダリアは、僕の頬にキスをしてエレナの待つリビングに向かって階段を降りてしまっていた。ダリアが淹れるれ珈琲は、いつも自家製のクリームが渦を巻くように落としてくれていた。今日も可愛いく渦を巻くクリームを見つめて、最後のダリアの珈琲を味わうように薫りに鼻を近付けて心からの感謝で珈琲を味わってその時を待ってあげていた。


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