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海外赴任
【フェチ/マニア 官能小説】

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ダリアの引継ぎ-13

玄関でダリアと抱き合いながら最後のお別れを終えていた。エレナは涙を浮かべながらスペイン語で抱き合うダリアと最後の会話をしているようだった。スペイン語は詳しく分からないが最低限の日常会話は分かる。エレナにその事は伝えていなかった。

「今日までお疲れ様。大変だったわねダリア」
「ようやく終わりよ。嬉しいわ。でも、これからは貴方の順番よ。少し辛抱すればお金持ちになれる。だから、身体に気を付けて頑張るのよ」
「分かったわ。わたしも頑張るわ」
「あと避妊薬は毎日飲んでおくのよ。辛くなったらママを思いだしなさい」
「なんて優しいの。親愛なる神よ、ダリアとダリアの家族に永遠の幸せを与え給え」

スペイン語で交わす会話はしっかり理解できていた。二人の会話は正論だった。その通りだろう。エレナに恋人を重ねた自分の愚かさに苦笑いを隠すことができなかった。警備員が待つ門に向かって歩くダリアに、僕たちは両手を振って見送ってあげていた。

「行ってしまったわね」
「そうだな。今日から宜しく頼むよ」
「任せて。ダリアさんに色々聞いたわ」
「そうか。僕のことを頼むよ」
「OK。全て大丈夫よ」

可愛らしい笑顔で振り向いてくれていた。若い笑顔だった。頬に掛かったプロンドを左手でかき上げながらリビングに向かって先に行ってしまっていた。エレナの後ろ姿は、玄関から吹き抜ける潮風に大きな翼を広げるようにブロンドが美しく広がって靡いていた。


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