囚〜朝〜-1
―チュンチュンッ
「ん〜…今何時だ〜?」
健治は手探りで時計を探した。
いつもの所に時計がないのに違和感を覚え、健治は体をベッドから起こした。
今日は日曜日。清々しい筈なのに、何故か頭が重い。
「痛ッ!!健治、髪の毛踏んでるよ〜」
「あ、ごめ…ん!?」
健治はすっかり目が覚めた。
何故なら、いるはずのない彼女が自分の隣で寝ていたからだ。
「何で早希がいるの…?」
早希はけだるそうに目を開けた。
「何でって…ここ私の部屋だし。」
「え?!何で俺、早紀の部屋にいんの!?」
「…まさか覚えてないの?」
早希は髪の毛を踏まれて強制的に起こされた事に腹を立てているようで、少し機嫌が悪い。
健治は何でこのような事態になっているのか、まったくわからない。
「夕べよ。」
「夕べ…?」
早希はう〜んと伸びをして、ベッドから起きた。
「あ…」
「え?」
健治は顔が真っ赤になる。
そう、早希は裸だった。
そんな健治に早希は気付く。
「…何照れてるの?健治〜」
早希はクスクス笑った。
「昨日はあんなに激しかったのに。」
見て…と早希は健治の前に体を突き出す。
早希の首筋、肩、胸、おへその上、わき腹、背中…いたる所に、夕べの激しく愛し合った印が残っていた。
「…これ、俺がやったの?」
「健治以外に誰がいるのよ…」
早希はぷぅッと頬を膨らませた。
「そっか…」
「って照れるの?ι」
健治の照れる姿に、早希は苦笑。
「でもさ…俺まったく覚えてないんだけど…」
「だろうね…」
早希は服を身につけながら言った。
「だろうねって…」
早希は鏡の前に移動する。
「ひゃ〜ι」
「ん?」
「これ…ダメだぁιキスマーク見えちゃうよι」
早希は健治の方に体を向ける。
白いカットソーから見える、真っ赤な跡。
「恥ずかしいな…」
「ね〜。」
「早希…」
「ん?」
健治は自分の膝の上をポンポンっと叩いた。
「座れと?」
「ん。」
早希は健治の膝の間に腰を下ろす。
「なぁ、昨日何があったか教えてくれないか?」
「いいけど…何ですか?この手は…」
早希が健治の足の間に落ち着いた途端、健治は早希の服に手を入れた。
「何でしょうねぇ…」
「ん〜…せっかく服着たのに〜」
「また着ればいいじゃん…」
首筋に響く健治の声に流されそうになりながら、早希は健治に抗議した。
「ダメッ…昼間っから…ッ」
「いいよ…」
「ヤダ!!」
早希は健治の足を思いっきりつねる。
「痛ッ」
「昨日みたくされたら困る!!」
「…はい〜?だから俺何かしたの?」
「…ッ」
何故照れるのだ、早紀!!健治は心の中で叫んだ。
「教えるッ…昨日の事」早紀は昨日の経緯を事細かに話始めた。