浴室での生挿入-3
綾子は浴室の地べたにへたり込んでいた。時間にして二分ほどであっただろうか。避妊具を着けないセックスは、綾子の想像を遙かに超えていた。短い時間ではあったが、その禁断の味はしっかりと身体の奥に刻み込まれたのだった。
「ううっ・・、うう・・」
涙を流しながら小さなうめき声をだした綾子は、心のなかで夫に対する謝罪と助けを求める声をあげていた。
(あなた・・。わたし・・。このままじゃ・・この男の精を・・)
その姿を見た武史は、綾子の肩を抱き、ゆっくりと立ち上がらせる。
「安心しろ。悪いようにはしねぇ。今夜は俺が旦那の代わりにお前を天国に連れ行ってやる。大丈夫だ、俺に身を任せてみろ・・。さあ、ベッドに行って続きを楽しもうぜ・・」
それを扉のすぐ外で聞いていた聡志は、急いでその場を離れようとした。音を立てぬよう脱衣所の外に出て、扉を静かに閉めようとした際、浴室のなかの二人が抱き合っているのが見えた。クチュクチュと聞こえるわずかな音は二人が何をしているか明白だった。
(今すぐ綾子を抱きたい・・。くそうっ・・。武史、お前はもう用済みだ。帰れっ!!)
悔しがる聡志が向かったのは、駐車場にある車だった。ノートパソコンを手に取ると、再び一階の和室から進入した。
そして、まだ二人が浴室にいることを確認すると、二階にある自分の部屋へと入っていった。同じ二階にある綾子の寝室とは離れた位置にあり、ここにいても部屋の照明さえなければ気づかれることはない。
(早く・・、早く戻ってこい・・。何してる・・)
焦る聡志をよそに、二人が二階に上がってきたのはそれから十五分ほどしてからだった。飲み物と簡単な食事を手にした二人が綾子の寝室へと消えていった。
パソコンのモニターには真っ裸の武史と、バスタオルを身体に巻いた妻の姿が映し出されている。
二人は水分補給を終えると、ベッドに腰掛けた綾子に再びアイマスクが着けられた。代わりに黒マスクを外した武史が、綾子の身体をベッドに押し倒す。その身体に巻かれたバスタオルを勢いよくはぎ取ると、その白い裸身にむしゃぶりついていった。
その様子をデスクに置いたモニターで見ていた聡志は、椅子に座ったまま肉棒を握りしめた。ヘッドホンを装着しているので、音量が漏れることはない。
(これでいいんだ・・。これで・・)
徐々に変わっていく妻の姿に焦りを感じていることも事実だが、これまで性に消極的だった妻の身体が開発されていくことは自分も望んでいたはずだ。
時刻はもう夜中の二時近くになっている。聡志自身も何度か射精したせいもあり、相当な疲労を感じていたが、ベッドに戻った妻が残り二枚となったゴムを使うのかどうかが気になり、とても眠れるどころではない。
モニターに映る妻はその両足を広げられ、その股間には武史がむしゃぶりついている。妻は両手で口を押さえ、必死に声を抑えているが、相当に感じているようだった。
そして、しばらくして顔をあげた武史が妻に問いかけた。それは避妊具を着用するかどうかの選択肢だった。