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調教学園寮夜話
【学園物 官能小説】

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第18話『寮監の誕生日』-4


 ……。


「みんな知ってる? 明後日って9号教官の誕生日らしいよ」

 夏季休暇恒例になった寮長室でのダベリング中に、【A2番】が発した一言。 この一言がきっかけになって、今までにない企画が急遽決定した。 題して『バースディパーティー』、サディストで鞭打ちが大好きな寮監に、思う存分鞭を振るわせてあげよう、鞭打つ側がヘトヘトになって、嫌になるまで鞭打たれてやろうという、要するにパーティーの名を借りた『嫌がらせ』――仕掛ける側も身を削る、ある意味捨て身の嫌がらせだ。

 パーティーの概要は下記の通り。
 
 新入生はまだアドリブが効かないため、仕掛けるのはA・Bグループ生全員。 どうにかして寮監が鞭――特に重くて扱いずらい長鞭にしたい――をもって外出するよう仕向けるところからスタートだ。 いざ寮監が戻ってくると、そこには阻喪(そそう)を自己申告するA・Bグループ生がズラリと並んでいる。 例えば『室内でクサ過ぎる放屁をし、寮を汚した』とか『寮でこっそり自慰をしたとき、喘ぎすぎて変な声を出した』とか、普段であれば見逃して貰えるレベルの失態をでっちあげ、順番に寮監に仕置きを乞うのだ。 常日頃から『阻喪するような緩いオマンコはぶって躾けるのが一番』と口にして鞭を愛用する9号寮監なので、わざわざ申告されれば鞭を振るわないという選択肢はない。 何発叩くかは別として、必ず鞭での指導になる。 大した申告とはいえないため、せいぜい5発は超えないだろう。 

 そうして寮監を足止めし、次々罰を申告させ、指導を受ける。 更に指導の鞭をうけた直後に、自慰であったりマン屁であったり、兎に角わざと阻喪する。 そうしてわざとらしく寮監に謝罪し、指導を申告する最後尾に廻れば、永遠に指導が続くわけだ。 いかに寮監の鞭が強烈とはいえ、十分な間隔を置くのであれば、何十発でも耐えられる。 片や寮監は延々鞭をふるいっぱなしだ。 鞭は女性でも扱える軽くて鋭い武器とされているけれど、その実中々の重量があり、勢いよく振るうには技量と体力が必要だ。 いくら鞭の達人だったとしても、休憩なしに何十発も鞭打てるようなものじゃない。

 場合によっては鞭を持ち替えたり、躾方法を変える可能もある。 そこは、寮監が躾を変えられないよう、こちらから縛りにゆく。 すなわち最初に鞭で躾けられた罪状と同様のものを申告し、同罪同罰の原則を適用させるわけだ。 同じ日に生じた同じ阻喪なのに1人目と2人目で罰が変わるなんて、まっとうな寮監であれば認めない。 ならば自分が変えることも認めるはずがないわけで、最初の10人が長鞭指導に統一されれば、自ずからその後も長鞭指導が続くだろう。 そこは寮監のプライドを信じて縛りにゆくのみ。 

 もしかしたら寮監は時間の都合から、例えば夕食後に『指導を後回し』にしたりするかもしれない。 そうなったらしめたものだ。 寮監室の前に列を作り、深夜だろうが徹夜だろうが、寮監が音を上げるまで入れ代わり立ち代わり罰を申告し続ける。 生徒側から罰を正直に申告するのだから、寮監がそれを遮る道理はない。 かといってまともに相手をするだけの体力はない。 では些細な阻喪だから特別に許せばいい話だが、さりとてそういうわけにもいかない。 なぜなら寮監という立場上、特例で些細さゆえに罪をなかったことにしたり、自己申告して指導を乞う生徒を無条件で許したりといった悪しき先例は、どうあっても避けたいためだ。 結局寮監には、鞭の振り過ぎで体力が尽きるか、最後まで躾を徹底するより他、選択肢が残されていないわけで……さしずめ最後の1人まで厳しく躾けを徹底できれば寮監の勝ち、途中であきらめれば寮生の勝ち、といったところだろう。

 寮生にしたところで、間隔を置くとはいえ何度も寮監の鞭を受けるのだから、全力で身体を張っている。 あくまでも寮監を困らせるというくだらない目的ではあるけれど、決して安易な試みではない。 誰かがギブアップすれば、その分指導の間隔が狭まり、痛みが引く前に次の鞭を受けることになる。 ゆえに団結が重要になる。 やると決めたら徹底的に、全員一致で頑張って初めて、寮監に対抗できるというものだ。 寮監が勝つか寮生が勝つか、寮監が奇策にでる可能性もあり、勝敗の行方は予断を許さない。

 Aグループ生が先頭に立つのだから、Bグループ生が参加しないわけはない。 決行は誕生日当日、昼食後。 鞭を持たせて誘い出すのは言いだしっぺ(?)の【A2番】に決まる。 【A2番】は『蜂の巣が高いところにあり、鞭で落として欲しい』と依頼することになった。 最初に罪を申告する役は寮長がいく。 長鞭でなるべく少ない鞭打ちになるよう罪状を考える、大事な役目だ。 Bグループ生を1列に並ばせたり、ダメージの大小を考慮してしばらく部屋で休ませたりと寮生の流れをつくる役は【A5番】の受け持ちになる。 こういう分配作業は、幅が効く年長者が都合がいい。 こうして史性寮生によるささやかな誕生パーティーが、当事者のあずかり知らぬところにて、着々と進んでいたのだった。


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