宿場-1
(宿場)
源蔵の賭場に着いた。
白子の源蔵・・(半次郎さんよ、十両を払ってくれ、
それで平吉の借金は帳消しだ。お峰の身も好きにすれば良い簡単な話だ。)
白子の源蔵、思う・・「もし、十両が無ければ博打へと
引き摺り込めばいい、
断れば、平吉に難癖をつけ脅し困らせ
半次郎をここに足止めさせてやる、」
半次郎・・(あいにく、五両しかありません、
残りの銭は飛脚を使い、
江戸の身内に頼んで用意させて頂きます。)
白子の源蔵・・(そんな気の長い話は駄目だ!
直ぐにでも十両を建て替えてもらう、
できなければ、お峰は売り飛ばすぞ!)
半次郎は考え込んだ。
白子の源蔵は今だと思い、
白子の源蔵・・(どうだい?
お前さんも渡世人なら
丁半勝負するしかないだろう!
それしか無いぞ!)
半次郎・・(それしか有りませんね、勝負します!)
白子の源蔵・・(それなら話は終わりだ。半次郎さん
勝負前に旅の疲れを癒す為に俺の風呂場で湯を
浸かってから勝負に挑んでくれ!)
半次郎・・(ありがとうございます。
お言葉に甘えさせて頂きます、勝負はその後で・・)
半次郎は風呂場に行き体を清め洗い流して浴衣を身に着け
博打場にきて源蔵の前に座った。
源蔵は半次郎の艶ある浴衣姿に
惚れ惚れとして見入ってしまった。