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憑依("うつせみ"から改題)
【SF 官能小説】

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目の前で犯されて彼女は快感に溺れていく-1

 「ねえ、なんであんなことしたの!」
 「なんでって言われても…。」
 先日のスクランブル交差点の件でミユキちゃんに追求されている。ルナさんに入られて、って言えばたぶん分かってくれるんだろうけど、それはしたくなかった。俺が見知らぬ女の子二人に非道いことをして、それを気づかせるためにしてくれたことだから。
 あの時はつい反抗的な態度をとってしまったが、本当はルナさんに感謝している。ミユキちゃんに責められるのは、自分への罰として受け止めよう。
 「私って、あなたの何?」
 「彼女、だと思ってるんだけど。」
 「そうでしょ?だったらなんで誘ってくれなかったの!」
 「は?」
 そっち?そっちで怒ってんの?可愛い顔してけっこうなヘンタイだね、この子は。だから好きでもあるんだけど。
 「ニュース映像のあなた、すごく楽しそうだった。今度は一緒だよ。いい?」
 「いや、それはちょっと…マズくない?もうやりたくないよ。」
 「ひっどーい!」
 「ひどくない、ひどくない。」
 ミユキちゃんは一人でどんどん歩いていく。もう深夜に近い時間だ。しかも、メイン通りから少しはずれていて薄暗い。一人で行かせたら危険だ。
 「お嬢ちゃーん、可愛いね。お兄さんたちと遊ぼうよ。」
 早速来た。いかにもヤバそうな三人組だ。おそらく天然日サロ系、つまり屋外で働いてらっしゃる肉体派のお兄さんたちだろう。マズいな。俺一人では相手にならない。
 「知ってるよ、私が可愛いことぐらい。だから、あんたたちは相手として問題外なの。」
 バカ、煽るな。
 「そんなん言うなやぁ、傷つくわぁ。」
 「アナタ、カワイイ。オレ、イジメタイ。」
 「可愛がる、だろ。」
 どれか一人に入っても二対一。まあ、時間稼ぎにはなるか。その間にミユキちゃんを逃がそう。
 そーっと近づいた。けど見つかった。
 「なんや兄ちゃん、カレシかぁ?ええ度胸やなあ。かかってこいや。」
 「いえいえ、そんなつもりは。僕も参加させて下さいよ。」
 とりあえず近づいて触れなきゃ入れない。
 「ちょっと、何に参加するのよ。自分の彼女、こんな奴らに好きにさせるわけ?根性なし!」
 台無し。
 「ヒドイ、カレシ。」
 オマエが言うか。
 「いつものでやっちゃいなさいよ。触れば勝ちでしょ。」
 「なんや、柔道かなんかかあ?」
 「だとしたらまずいな。オレ、痛いのダメだから。」
 なんだそれ。
 「ヒトジチ、シテ、ナグル。」
 「そやな。自分らその子押さえといて。」
 うわ、最悪の展開。殴られる瞬間に入るとか…あ、コイツ手袋はめた。
 「いけいけー!ぶっとばせー!」
 ミユキちゃんが無邪気に叫んだ。
 「ごめん、ムリそう。なんとか逃げれない?」
 ミユキちゃんの顔がひきつった。
 「そんな…。」
 泣き出した。
 「ウソ、だよね?いつもあんなに凄いじゃない。」
 どの凄いだろう、なんて考えてる場合じゃなさそうだ。
 「オマエ、サカラウ、コノコ、イタイ。」
 ミユキちゃんがビルの陰にずるずる引きずられていく。
 「動くなやぁ、おまわり呼ばれたら面倒やからなあ。一緒に来てもらうで。」
 「イヤ、イヤ、イヤあぁあーー!助けてよ、助けてー!お願いだからぁ、ねえってばぁ…。」
 どうする。目の前のやつは手袋をしているし、他の部分にも触れるのは難しそうだ。しかし、なんとかしなくては、ミユキちゃんが。なんとか、なんとか…。
 「やめてよぉ…いやだよぉ…この後私、何されるの?やめ、て…。」
 ミユキちゃんが最後の救いを求めるように俺をみつめた。俺もミユキちゃんをどうしても救いたいと思った。その時。
 ヒューーー。
 周囲の景色がものすごい勢いで後方へ飛んでいった。
 「え、あれ?あの兄ちゃん、どこいったんや?」
 「逃げたんだろ。」
 「コシヌケ。コノコ、カワイソウ。」
 俺はミユキちゃんの中に居た。互いに強く願えば、触れ合わなくても入れるんだ!
 『ミユキちゃん、聞こえるね?大丈夫だからね。』
 「うん、聞こえる!もっと早く来てよ。怖かったんだからね。」
 「なんだこいつ。カレシに逃げられて霊感目覚めちゃった、ってか。」
 「すごいやん!見せ物に出来るで。」
 『しゃべらないで。不審がられるから。作戦を伝えるよ。今からこいつらの内の一人に入る。で、隙を見て暴れるから、ミユキちゃんは全速力で逃げて。いくよ。』
 ちょうどタイミング良くカタコトの方が首筋に触れてきた。よし、っと思ったとき、チクリと小さな痛みが伝わってきた。そして、全身の力が抜けた。
 「よっしゃ、運ぶでぇ。」
 三人がかりで担ぎ上げられ、怪しげな階段の下へと運ばれていった。ミユキちゃんから出て乗り移ろうとしたのだが、なぜか出来ない。宿主が動けないと、憑依者も動けないというのか。
 「よっこらしょ。」
 連れて行かれたのは意外と清潔感のある明るい部屋だった。三人組がベッドに寝かされたミユキちゃんを見下ろしている。


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