夕食-2
酔った私はあの人が経験したことのないエッチをしてあげるつもりだった。いつも私を抱いてくれるあの人に、今度は私が気持ちよくさせてあげる順番だと思っていたからだった。私があの人を襲うのにはやっぱり勇気がいることだった。その為にも少しは酔っ払ってもらわないと流石に恥ずかしかった。
「美奈子さん、もう飲めないです」
隣のあの人は完全に出来上がっていた。私の膝に頭を載せて私を見上げていた。
「最後のお酌よ。これを飲んで休憩にしましょ」
見下ろしながら枡に溢れるほど注いだ日本酒を肩を支えながら飲みきる姿を見届け完璧に準備ができたことを理解していた。
「もーだめだぁ。なーんにも飲めない」
膝枕で目を閉じたあの人は、わたしの腰に手を回して太腿を抱き枕のようにして潰れてしまっていた。
「ねぇ、こっち向いて」
私はこれから始まる行為に少し緊張してしまっていた。
「なに?」
酔いながらも綺麗な瞳で見上げるあの人は、私をみつめて可愛いと呟いてくれていた。あの人が愛おしいかった。緊張を解すために私も枡に日本酒を注いで一気に飲み干して覚悟を決めていた。
「わたし、あなたを好きにしてみたいの」
「え?いいですよー」
子供みたいな笑顔で私を見上げていた。胸がキュンと締め上げられるような笑顔だった。素敵な笑顔だった。覚悟を決めた私は、ゆっくりと行為を始めてあげていた。
「ねぇ、口、空けてくれるかしら?」
見下ろすあの人の口に向けて、目を閉じて唇を空けて垂れる涎を落とし始め私は震えてしまっていた。すごい恥ずかしかった。口元から垂れ落ちる涎の感覚が伝わっていた。私の下着は役目を果たせない程、べちゃべちゃに濡れてしまっていた。でも、迫る欲求に私は抗うことができなくなってしまっていた。
「ちょっと、頭を上げてくれる?」
脚を崩した私は、あの人の顔が私の股間に向き合う様に片脚を立て、恥ずかしい下着を見せつけて喘ぎ声を漏らしてしまっていた。見下ろす先の総レースの下着から、恥ずかしい毛が飛び出してあの人に向き合っていた。
「恥ずかしいけど濡れてるのよ」
「知ってる。大量の汗のように隙間から垂れてますよ」
「ねえ、少し我慢してね」
戸惑うあの人に向けて、股間を迫り付け顔面を押し潰すように下着と太腿で挟んで見下ろしていた。荒い呼吸が股間で苦しそうに熱を帯びていた。悶えるあの人に満足していた。私は興奮に震える指先で浴衣に手を伸ばして裸にしてあげていた。股間で熱く呼吸を繰り返すあの人の自由は、完全に奪いとっていた。