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元人妻との恋
【フェチ/マニア 官能小説】

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夕食-1

奥の部屋から私を呼ぶ声が聞こえていた。ちょっとした睡眠だったけれど深い眠りに落ちたようだった。柔らかい布団がさっきの幸せを思い出させてくれた。今が幸せの瞬間なんだろうと理解していた。幸せを噛み締めて声のする部屋に歩き始めていた。

「寝ちゃたわ。今何時なの?」
「19時。1時間30分は寝てましたよ」
「そっか。結構寝たのね」
「それより、ほら!豪華な食事ですよ」

和室のテーブルには、びっしりと贅を尽くした料理が並べられていた。テーブルの横には日本酒が複数立てられ、瓶ビールは冷蔵庫にびっしり用意されているはずだった。これは豪華な部屋をとってくれたあの人の優しさだった。だけど、食事をする前に、わたしには済ましておかなければならない事がある。だから、笑顔のあの人に向けて先に食べるように優しく笑顔で諭してあげていた。

「先に食べるか飲んでてくれる?わたし湯船で綺麗にしてくるわ」
「凄いなぁ。流石ですね。そこが美奈子さんの凄い所です」
「意味わかんないけど、まぁいいわ。先に食べてるのよ」

そう言い残して、化粧ボックスと替えの下着を持って湯船で身体を流し、鏡台に向かってソフトにメイクを決めていた。流石にすっぴんはない。まゆげが無いといじられかねない。あの人は子供よ。鏡のわたしは楽しそうな笑みを浮かべていた。幸せだった。湯上りにあの人に酌をして、私も一緒に酔っちゃおうと心が踊っていた。

「待たせてたかしら?」
「えぇ!浴衣じゃないんですか?」

部屋着として持ってきた薄いピンク生地のフレアレースワンピースに髪の毛を巻き上げて女を魅せていた。私は照れながら、これが28歳の限界なのよと心で囁いていた。

「変かしら?」
「めちゃめちゃかわいいです」
「これもね今日のために買ったのよ」
「素敵です。28歳で着こなせるなんて流石です」
「ちょっと、何かとげがあるわねぇ」

笑いながらあの人の向かいに座って、私もビールにしようかしらと促していた。

「瓶ビールですね。湯上りはビール最高ですよね」
「おじさんみたいに扱わなでくれるかしら。今日はね、酔ってしまおうと思っているのよ」
「僕も沢山飲みます。一緒に酔っちゃいましょう!」

完全に素になったあの人に笑ってしまっていた。横浜の駅前で汗を流して私を探してあの人が、今は素の自分で私に向き合ってくれていた。素敵な空間だった。だから私も素のままで心から酔って楽しみたかった。

「美味しいわ。喉渇いてたのよ」
「沢山運動したからね」
「運動ねぇ。わたし何回か襲われたような気がするわ」

はにかむように笑っていた。可愛い笑顔だった。いいのよ襲っても。心の声で全てを許して見つめてあげていた。今の私は、フレアレースのワンピースの下に今まで手に取ったこともないような派手な下着を身に付けていた。総レース綴りのティーバッグは役目を果たせないほど小さく、ハイトップのブラはちょっとズラせば胸が全部露わになってしまう作りだった。大人の礼儀としてストッキングを履いているけど、太腿の付け根で留めるストッパーストッキングだった。

「ねぇ。なんで浴衣じゃないの?」
「今日のためよ。浴衣は夜着るわ」
「食事のためなのかな?分からないや」

少し酔いの回ったあの人は、美味しそうに食べながら他愛のない話を続けていた。わたしは笑いながら話を聞いて、あの人が楽しくなるようにお酌を続けていた。今日は私にできる全てを見せるつもりで向かえていた。

「わたしも少し頂こうかしら」

瑞々しい辛さの日本酒を飲みながら、徐々にわたしも酔いが回っているのを自覚していた。

「日本酒の他にもワインも用意してるよ。ワインにしよっか?」
「そうね。和食にワイン。何か変ね」

酔った二人は笑いながらワインを開けて酔いに任せて飲み続けていた。 日本酒を空けワインも底をつく頃には、完全に二人は出来上がっていた。向かい合わせだったあの人は、私の隣に座り直して肩に手を回して饒舌に語ってくれていた。注がれるままに付き合っていた私も完璧に酔っ払い、隣のあの人にキスをせがみながらワインを飲んで笑って楽しんでいた。

「もう飲めないや。結構飲みました」
「やだ、もう飲めないの?以外と弱いのかしら」
「結構飲んだよ。美奈子さん、お酒強いですね」
「そんなことないわよ。かなり酔ってるわ」
「本当?酔ったらいつもどうなるの?」
「キスしたくなる」
「だからかぁ。何か変だなと思ったんだ」

酔った私はキスをせがみ舌を絡めては離される口元に、もっと!と笑いながら酔っ払って飲み続けていた。

「キス上手ですね。すごいエッチなキスだ」
「やだ、あなたまだ酔ってないわね。日本酒また開けるわ」
「えぇ、もう飲めないよ」

そう言いながらも枡に注いだ日本酒を空けたあの人は、うめー!と酔っ払い発言でけらけら笑っていた。私も少し頂こうかしらと枡を貰い、私達が完全な酔っ払いに出来上がるまでそんなに時間はかからなかった。


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