おとこの子の性-1
「ごめっ、ごめん、なさぃ」
ずちゅっ、ずちゃっ……。
いつだって偉そうで、僕にいつも命令ばっかりしていた鈴子ちゃんが、泣いていた。大粒の涙がほっぺの上を過ぎて、床に落ちる。
にちゃっ、ねちゃっ……。
「おね、がい、やめて……も、やめてよぉっ」
あれほどケンカが強くて、そこらへんの男よりも男前で、僕みたいな女っぽい奴が大嫌いだと笑っていた鈴子ちゃん。胸が膨らんできたことに怒り、お尻が少し丸みを帯びて、ズボンよりもスカートのほうがよく似合う、そう叔父さんに言われた鈴子ちゃん。
「ぅっ」
びくびくびくびくびくっ
「ひっ、ひぁあっ、あっ、ああっ……」
僕の家へ泣きながらやってきた鈴子ちゃんに、僕はどうして、こんなことをしているのか。
昔は大きく見えた身長が、今見れば酷く小さく見えた。泣いていた鈴子ちゃんの肩も小さくて、女の子にしか見えなくて。
「や、だ……うち、こんなん、嫌やぁ」
腕力で勝てるとは思ってなかった。でも、鈴子ちゃんの腕は僕の片手で押さえつけられ、振り解けない。鈴子ちゃんの小さな唇を無理矢理奪う。
「やめっ、やめてぇぇっ！んっ、んんんっ！！」
口を必死に閉じて、歯を食いしばる鈴子ちゃんが、足をじたばたさせてくる。僕は慌てて、鈴子ちゃんに覆い被さり、身体でその動きを止めた。
「やっ……きょぅちゃん、やぁっ」
名前を呼ばれて、背筋がぞくりと波打った。もっと呼ばれたくて、僕は鈴子ちゃんの服を、やぶかんばかりに脱がせていく。ボタンが吹き飛び、鈴子ちゃんの腕や腰が折れそうなくらいに揺れる。必死に押さえながら、僕は鈴子ちゃんのズボンを剥ぎ取った。顕になる鈴子ちゃんの大事な部分。僕は無我夢中で、パンツに手を掛ける。
「や……だ、やだっ！」
びりぃ。軽く力を入れただけで、鈴子ちゃんのパンツが破け落ちる。その音が、僕の中の卑猥な部分を後押しした。僕は自分のズボンを下ろし、パンツも下ろす。
「ひっ、き、きょっ、きょうちゃんっ、な、なにしてっ」
ぴちゃっ。
パンツに隠れていた小さな男根が顔を出し、滑った先端が、少しも濡れていない鈴子ちゃんの股へと向けられる。それが何を意味するのかを知っている鈴子ちゃんの目が、大きく見開かれた。
「やだやだやだっ！ やっ、やだぁぁぁっ！」
ぐちゃ。
ぴったりと閉じられた鈴子ちゃんの陰部は、少しの滑りすらなくて、僕の先から零れる潤滑液だけを頼りに、その小さな体躯の中に押し入っていく。
ずぐ、ぐぐううう……。
ぷちっ
「ぎっ、ぅっ、い、痛いっ、痛いよ、いだっ！」
鈴子ちゃんの中に入っていく僕が、小さな抵抗に止まり、一気に入る。それが鈴子ちゃんの処女喪失の瞬間だなんて、僕にはまだわからなかった。
「いぁ、ぁいぁあああ！」
鈴子ちゃんが必死に逃げようとして、僕の腕がそれを押さえつける。服がしわくちゃになり、静子ちゃんの顔がめちゃめちゃに歪む。
そして僕の欲が、さらに疼き出す。
「痛い、痛いっ、たっ、ぃだぁっ！」
暴れまくる鈴子ちゃん。僕はベルトで、鈴子ちゃんの手首を縛り、空いた手で、鈴子ちゃんの大事な部分を無理矢理押し開く。真っ赤な血が零れ落ちていたけれど、もう止まらない。
「……ひっ、く、ひぅっ……」
あれだけ男っぽかった鈴子ちゃんが泣いていた。
そして僕は、自分が男だったことを、彼女が女だったことを噛み締める。
にちゃっ。
「や、めて、きょうちゃっ、やめて」
「やだ」
そしてこの時僕は、自分のの中に眠る、サディストな性に、気付いてしまった。