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元人妻との恋
【フェチ/マニア 官能小説】

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翌日-4

心療内科の待合室はうんざりするほど混んでいた。保険証を窓口に渡し「二時間後に戻るわ」と言い残して病院を後にしていた。今日は大きなマスクで顔を隠して地面だけをみるようにここまで通って来ていた。来る途中に朝一の電話で会社に連絡も終えていた。
時間を潰すためにありきたりのカフェに入ろうとしたけれど誰かに会いそうで怖かった、だから、まず女子は入らない会社の人もまず来ないそんな場所を探して地面を見ながら辺りを彷徨うように歩いてしまっていた。

純喫茶、パチンコ屋、漫画喫茶。

だめだった。何処に入っても誰かに見られるようで入ることができずに結局元の待合室に戻ったところだった。

心が痛んでいる。

その通りだと思った。わたしはあの人と何度もSEXしたのは事実だった。何一つ間違ってない。でも、撮っていいよなんて言ったはずは無いはずだった。

「エッチね。こうかしら?」

カメラを向けるあの人に、確かにわたしの声は興奮するように答えていた。いいよって言っているようなものだった。
また、あの人を思い出してしまっていた。

「今日は大人のオモチャ屋に寄ってこうよ」
「えぇ、でもちょっと興味あるかも」
「行こう!」

「すごいね、何これ、何に使うの?」
「拘束道具、みたいだね。」
「やだぁ、すごい太い。これがバイブ?」
「ちょっと声でかいよ佳奈ちゃん」
「ごめんごめん。みんなわたしを見てるのかな」
「知らない。無視でいいよ、適当に無視。これなんかどうかな?」
「えぇ、いいけど。ちょっとエッチだね」

そんな会話をしてあの人の家に行った日にわたしは撮られたことを記憶している。先にシャワーを浴びて買ってきた拘束道具を身に付けてあの人の前に向かっていったあの日だった。
肌に革ベルトが冷たくて股間からはみ出る整えきれない毛を見下ろして凄いエッチだと思ったことも間違いなかった。

「佳奈ちゃん、凄い可愛いよ」
「ちょっと恥ずかしいよ」
「後ろ向いて見てよ」
「こうかな?」

あの人はわたしのむき出しの大きな胸を真後ろから鷲掴みしながら彷徨う勃起を後ろ手で触ってあげたあの日の記憶だった。

待合室で深い溜息が溢れてしまっていた。待合室には数人を残し私が呼ばれるのはもうすぐかしらと思ったときだった。
目の前に座る20代と思われる青年が充血した目付きでわたしの脚元を凝視しているようだった。

「バカにしないでよ!」

わたしの心は完全に痛み待合室にはわたしの声だけが響いているようだった。


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