翌日-2
日比谷のBARで奢ってもらった後、エレベーターで深いキスをした後、この後どうするって言われたけど彼の家に行きたくなったから今日はここまでね。とあしらった記憶がある。あの人は独りで、銀座線で帰ったはずだ。
わたしにはあなたに見合う女性とは違うのよ。
そんな傲慢な考えが確かに当時のわたしにはあったはずだった。あれだけ変態行為を続けていたにも関わらず歳を重ねた私も大人になっていくとはそういうものだと思って過ごしていた26歳の夏だったような記憶がある。
憂鬱が更にわたしを襲ってきているようだった。あの人は、もしかしたら、本当にわたしを必要としていたんじゃないだろか。遊んでる男だと思い込んでいるけれど本当はどうだったんだろうか。わたしより5歳年上だったはずたからあの人は最後は31歳位だろう。そろそろ結婚を考える年頃だったのではないだろうか。
いろいろ考えてしまい本当に憂鬱に支配されぐったりとテーブルの上の置かれた写真を捨てれずに呆然と横目で眺めることしかできない状態だった。