The depression of a poor boy-5
少年の最たる魅力であるその淡い桃色の唇が開く。
男はその幼くあどけない舌に魅了された。その標本のように綺麗に並んだ真珠色の歯も。
その可憐な唇は男の昂まりに触れて、その舌は亀頭を這った。
痺れるような快感は男を驚かせる。それは今まで繰り返してきたセックスと違う感覚。幼児性愛という名の甘美な罪の味わい。
ピチャピチャと、猫がミルクを飲むときに立てる音と同じ。少年が髪の毛を掻き上げる様子がまた強烈に刺激的だった。
「犯罪」という言葉が男の脳裏を掠める。「未成年との性行為」「淫行条例」。たった今犯している現在進行形の犯罪。男のその想像は未知のスパイスとなって男の怒張を滾らせる。
「それ、まるごと口の中に入れて」
「んあ……こう、れすかっ?」
「そうそう……アイスキャンディーって舐めた事あるよね。あんな感じで舌をクルクルするんだ」
「んふ…ううっ、あっ、ううんっ」
「ああ、いい感じ。もっと、そう、そうやって首を捻って、そうっ」
溶け落ちそうな快感。少年の美貌がますます輝き出す。素質があったのか、才能なのか、あるいは血筋なのかは解らない。とにかく、巧い。
率直で、一生懸命。献身的とも言える口技。少年の心を込めたフェラチオは無類の悦楽となって男の心を溶かした。
この少年は天然の淫乱なのかも知れないと男は思う。とにかくその姿態が尋常じゃないくらいの猛烈な色香を匂わせる。その唾の溢れる口元と顎の先にまで垂れ落ちた淫らな液体の一筋が、その淫技をふるうしなやかな首筋が、たまらなく艶っぽい。
男は我慢が出来ずに少年の頭を掴んで引き寄せ、腰を使って少年の喉奥までを凌辱する。初めての事に戸惑いながらも少年は苦しげにそれに応えた。
ディープ・スロート。喉を塞ぎ、舌全体で肉塊に絡みつき、美しい歯での甘噛み。
たっぷり10分もやっていただろうか。少年は汗を垂らしながらも必死に男に奉仕した。
「ああー、次、行こうかっ」
男の言葉に舌の動きを止めて翠也は男を不思議そうに見上げた。
次に男が取り出したのはひとりの野口英世。紙幣だった。