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電脳少年の驚愕
【鬼畜 官能小説】

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誘惑-1




22:45 <検索:NEGATIVE>OKUTO

夏の熱帯夜に樹木が僅かな風を孕み、樹液の匂いが都会の中の公園を満たしていた。

キラがこの日のために用意した装いはちょっと常軌を逸している。
丈が短い袖無しのカットソーはキラの白磁の肌を晒すヘソ出し。極端なローライズのショートパンツは腰骨を丸出しにして辛うじて性器を隠すという露骨なチョイス。
素足にはミュール。アッシュブリーチをかけたかのような髪の毛は色っぽく乱れ、美容院で施した化粧は悪趣味なほどに艶っぽい。

知らない人間が見れば演劇の舞台に立つ子役の美少女と行ったところ。

あからさまな露出癖以外にも、キラを説明するタグプレート。それは商標。
左耳に輝く血のように紅いルビーのピアスは少年がゲイであることを主張し、首の深紅の首輪は奴隷である事を示すメッセージとなって狩人を挑発する。

そこに立つのは「娼年」という名前の淫らな天使。

サイズの大きいデニムに野暮ったいカジュアルシャツのヒキコモリ小学生なんて無様な男の子はどこにもいない。キラは自分をフィクションとして磨き上げた。

物語の中の自分であれば、どんな事だって出来る。

時折ショートパンツの裾を直す様も淫靡。
ローライズなだけでなく、その白桃のような双丘が半分剥き出しで、ともすれば尻の割れ目に食い込んでしまうからだ。
キラは来年12歳になるけれど、陰毛やすね毛が生える兆候はない。男子のくせに少しだけくびれたウエストがキラを小柄でスレンダーな美女に演出する。



あらかじめ調べたその公園の評判は悪い。
ゲイの交流サイトでもワーストの上位を占める「神楽坂公園」は健全なゲイのからは忌み嫌われ、またその特殊性で物見高いゲイを引き寄せるという矛盾を孕んでいた。
「億度」のおかげでちょっとした事情通になりつつあるキラは、この公園が同性愛の中でも異端である「幼児性愛」の巣窟として有名であることを知っている。別名「小児科公園」。
幼児性愛とは言っても、そうそう幼い男児が夜に出歩くわけにはいかないから、事実上集まるのは15歳から上で、キラのように12歳にも達していないのは極めて異例。

新宿でも外れに位置する神楽坂公園は、都会の公園としては珍しいくらいの樹木を纏って闇の中に沈んでいる。公園の隅にそびえる「メモリアル・モニュメント」は巨大な壁となってキラの視界を覆い隠す。まるで密室のように。まるで檻のように。

キラがメールで支持したモニュメントの裏にあるベンチは木製で、大きな楡の木の木陰に位置している。そのベンチにキラは腰掛け、「その時」を待った。

22:50 <検索:ACTIVE> OKUTO

万能の人工生命型検索エンジン「億度」はキラの成長よりも遥かに高速に増殖している。
世界の全てにその細胞を移植して成長する肉体は、オンラインであればスマートフォンをも乗りこなす。そしてあまたの監視カメラの映像をリアルタイムに取得してその画像を分析し、細分化し、パーミッションを作り上げてキラのための情報を発信し続ける。
検索が<ACTIVE>を示した事は、誰かが、何者かがキラに近づいて来た事を告げている。

22:55 <CATCH> OKUTO
22:56 <CATCH Unconfirmed human> OKUTO
22:57 <CATCH Attention coming> OKUTO

心臓の鼓動はそのビートをアンダンテからアレグロに変わる。
夏の夜風は吹き渡り、キラのアッシュブリーチの髪を静かに揺らした。

22:58 <CATCH time to meet> OKUTO

ベンチが静かに軋む。
人が放つ熱が大気を熱する。
その熱はキラに寄り添い、無骨な指がキラの首筋に触れた。
心臓の鼓動はピチカート。

その指が髪の生え際をまさぐり、耳のピアスを確かめるようにうごめく。
その指が首筋の筋肉を辿る。
その指が背筋を這う。
その指が背中の羽根の痕跡を彷徨う。
その指が脇腹の柔らかい肉の上を滑る。
その指が太ももの内側に差し込まれる。

22:59 <CATCH To merge> OKUTO

キラは顔を俯けたまま躯を起こす。
腕が肩越しに回されて、淫らな欲望を秘めた指がカットソーの襟元から胸を伝い降り、薔薇色の蕾に触れて静かに踊り出した。
公園の水銀灯の光を映す濡れた唇から、淡い吐息が漏れた。

23:00 <LOVE ME> OKUTO 遂に冗談まで言うようになった。

ホルモンの塊のような悪臭を振りまく分厚い唇がキラの唇に重なり、無遠慮な舌が無垢な少女を犯すようにキラの口の中に差し込まれる。いや、刺し込まれる。
キラはその獰猛な舌に応えるように幼い舌を絡めた。

男の欲望そのままに溢れた唾液はキラの欲望で湧き出た唾液と混ざり合い、たちまちキラの喉を這う一筋の蛇に化身する。
処女を強姦するような接吻から舌を抜いた男は、猛烈に臭い息を激しく吹きかけ、そのままキラの首筋に吸い付く。
たくし上げられたカットソーの下にあるキラのビロードのような柔肌を、貪るように乱暴な愛撫が駆け抜けて行く。

そして、裸同然のキラの下半身にも。
小さな柔らかい双丘を、ほのかに突きだした腰骨を、そして中心にある可愛らしい強張りを、情事に手慣れた指がキラの性感を目覚めさせて行く。



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