で-3
「このまま、俺と付き合わへん?」
「・・・イヤです」
「結婚を前提に付き合ってほしい」
「イヤ、です」
「俺、絶対浮気せぇへんし」
「イヤです」
「ちゃんとエリートで居続けるから」
「イヤです!」
「真実ちゃんが俺に本気で好きじゃなくても構わへんし」
「三浦さん!」
「何?」
「私の返事、聞いてますか?」
狭いコートの中でくるりと態勢を変えれば、目の前に三浦さんのネクタイがあった。
「聞いてるって。ちゃんと聞いてる。
エリートと結婚したいんやろ?
本気の男と結婚したくないんやろ?
そして、ちゃんと真実ちゃんの事を世界で1番可愛いと思ってるよ。
俺にしとけよ」
「イヤです・・・」
「なんで?」
「イヤな物はイヤなんです」
「せやから、理由を言えって」
「本気の男とは結婚しないって決めてるんです」
「うん」
「だから、三浦さんとは・・・結婚できないんですっっ」
「真実ちゃん、それって・・・・」