ツンデレの皮を被った・・・-1
「タオル・・・余分にはないよね」
シングルルームなので、タオルやアメニティは１セットしかない。
ハンドタオルとバスタオルがそれぞれ１枚づつあるので、上手く使えば何とかなるだろうが、有美は部屋に取りに行くと言う。
涼平は、それは逃げる口実じゃないのかと訝しんだ。
有美を引き留めようとしたが、気が付いたのか、後ろを振り向き
「大丈夫、絶対戻ってくるから」
と、微笑んだ。
それでも疑うような眼をしていたのか、有美は涼平に近寄り抱き着いた上で、股間を優しく触ってくれた。
「ね。もうちょっと待ってて」
有美はスケベな笑顔を残し、自分の部屋にタオルなどを取りに帰った。
「本当に帰ってくるのか？」
有美のスケベな笑顔は、信用に足りるものだったが、それでも心のどこかでツンデレの『ツン』が顔を出し、このまま部屋のドアをロックしてしまうのではないかと気を揉んでいた。
が、それは杞憂に終わった。
ものの２分程度で、早々に涼平の部屋に有美が舞い戻って来た。
「お待たせぇ〜って、シャワー浴びるから、もう少しおあずけ・・・ね」
そう言って、すぐさまバスルームに入っていってしまった。
本当は引き留めて、シャワーを浴びないままの有美のオマンコを賞味したかった。アスリートの洗っていないオマンコの激臭を楽しみにしていた涼平だったが、無理にその願望をぶつけてドン引きされては元も子もない。
女性全員が、フェチに理解を示してくれるわけではない。どっちかと言えば、マイノリティな趣向だけに、引かれる可能性も高い。
『おあずけ』、この言葉は確実にこの後有美のカラダを賞味出来ることに他ならない。
有美は、これから涼平に抱かれるために、シャワーを浴びているのだ。折角のチャンスを無駄にする必要もない。有美とＳＥＸすることはほぼ間違いないのだから。
それを考えると、この『おあずけ』の意味する向こう側にある有美の淫らな姿が想像され、激臭のことなどすっかり忘れ、早くもフル勃起している涼平だった。
「お先ぃ〜」
１０分程で出てきた有美。
涼平にとっては、この１０分が長く感じた。
普段であれば、ＳＥＸ前の１０分なんて、何とも思わないものだが、今日は珍しく長く感じてしまった。
それだけ期待感が高く、テンションが昂ぶっているのだろうか。
シャワー上がりの有美は、胸から太腿にかけて、バスタオルを一枚身体に巻いた格好。ありがちな格好だが、背が高い分、バスタオルの面積が小さく見える。つまり、肌の露出の割合が高く、興奮を誘う。
「じゃあ、俺も浴びてくるよ」
涼平は、高鳴る鼓動を悟られないよう、そそくさとシャワールームに入った。
「待ってるね」
有美は、そっと涼平の指に触れる。
この瞬間、涼平の下半身は一気にヒートアップした。
もう待ちきれない涼平は、さっさとシャワーを済ませた。
部屋に戻ると、有美は先ほどと同じ格好で、ベッドに腰掛けて、スマホをいじっていた。
「もぉ〜やだぁ〜エッチぃ」
腰にバスタオルを巻いただけの涼平を見て、有美が言った。
興奮隠しきれず、股間が膨らんでいるのに有美が気付いたのだ。
「しょうがないじゃん。そんな色っぽい姿見せられたら、黙ってらんないんだよ」
「まーた、口ばっかり上手なんだから。でも残念でした。わたしは、そんなつもりはこれっぽちもありませんからね」
また有美のツンデレが始まった。
「でも、そんな格好で言っても、誰も信じないよ。やる気満々じゃん」
「そんなことないよ。風呂上がりのわたしはいつもこの格好だから、別にそういうつもりで服着ない訳じゃないよ」
そういうつもりも、こういうつもりも無いだろうと涼平は思ったが、このやり取りも、有美にとっては前菜なのだ。
涼平は、あーだこーだ言う有美の言葉を遮るように、有美の横に腰掛けた。
「変なことしないって言うから来たんだからね」
そんなこと男にとっては常套句だろうに。偏見かもしれないが、それを信じてのこのこと着いてくる女性はどれだけいるのだろうか。
そのほとんどが、ＳＥＸまでＯＫしているつもりで部屋に入ってくることだろう。
しつこいようだが、これも前菜のうち。有美も一言一言、言葉のキャッチボールをしていいく中で、性的テンションが上がっているはずだ。
涼平はキャッチボールをしつつ、少しづつ微妙に距離を縮めていく。
有美は、気付いていないのか、それても気付いていないフリをしているのか、会話に変化はない。
涼平は、さすがにこれ以上近寄ると、気付かないはずがないというくらいの距離までにじり寄った。そして、その距離感をしばしキープ。
互いのカラダの熱を感じあえる距離。果たして有美は、どう出てくるか。涼平は、有美が出てくるまでこのまま動くつもりはなかった。
焦れて焦れて有美から抱き着いてくるぐらいでないと、ことに及んでも面倒くさい件を続けることを考えると、ここは少し時間が掛かってもかまわないと思っていた。
しかし、意外と早く、有美の方が動いた。
一気にカラダの側面を涼平に密着させてきたのだった。
風呂上がりのせいもあるだろうが、有美の腕はしっとりと汗ばんでいた。それをまさに肌で感じた涼平は、この誘いとも受け取れる行為に、そろそろのタイミングだと判断した。
「キスしていい？」
「えぇーっ！？変なことしないって言ったでしょ」
「変なことじゃないよ。キスだったらさっきもしたじゃん」
「ええっ〜キス・・・だけ？本当にキスだけしかしない？」
有美の言葉が終わらないうちに、涼平は有美の唇を奪っていた。
「ああっ、うっぅぅ」
有美が全面的に受け入れているようには思えなかった。かと言って拒否しているとは到底思えなかった。