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快楽堂治療院
【SM 官能小説】

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快楽堂治療院-1

美佐子は33歳、小学生の息子と会社員の夫と三人で郊外の一戸建てに住んでいるいたってフツーの専業主婦だ。
息子もボチボチ手が離れ、夫はローンを返済する為毎日遅くまで働いていて、美佐子は少々暇を持て余し気味。三十を過ぎてから、体もあちこち疲れ気味だ。
今朝も夫と息子を送り出した後、簡単に家事を済ませてしまったら、もうやることは無くなってしまった。
ダイニングテーブルに新聞を広げ、コーヒーを飲みながらチラシをチェックする。
「あら、このスーパー安いわね…後で行ってみようかしら…」
「まあ!素敵な家具!こんなの欲しいわぁ〜」
独り言を言いながらチラシを見ていると、一枚のチラシに手が止まった。
『快楽堂治療院・本日開院』
…あなたの体に溜まっている疲れの原因は、血行不良により気が順調に流れない為です。当院では、血行を促進し、正常な気の流れを促す為の様々な治療を行います。冷え性、肩こりや腰痛、慢性疲労などでお悩みの方は是非一度ご相談下さい。
尚、当院は完全予約制につきお電話でご予約の上来院下さい。
※今なら開院記念特別期間中につき治療費半額…
「疲れねぇ〜」
そういえば最近、肩こりが酷くなったわ、疲れも溜まり易くなったし…やっぱり二十代の頃とは違ってきたわ…
美佐子はあれこれ考えながらチラシを見ていた。
「開院記念で半額かぁ〜」
少し心が動き始めている。
普段、特別贅沢もしているわけじゃないし…それに『快楽堂』って…なんだか気持ち良さそうじゃない?
そんなことを思いながら、美佐子の手は受話器を握っていたのだった。
呼び出し音が何度か聞こえた後、
「はい、快楽堂治療院です。」
と声がした。あまり年輩ではなさそうな男性の声。
「もしもし、あの〜チラシを見たんですが…」
「ありがとうございます。ご予約ですか?」
「あ、予約と言うか…」
「ご相談でしたらお電話でも多少いたしておりますが…詳しい事は実際診察させていただいた方が良いと思います。」
「でも、急には予約取れないでしょ?」
「いえ、実は本日予約のお客様が急にご都合が悪くなったそうで、お一人様なら空きがありますが。」
「あら、そうなの?それじゃお願いしようかしら?」
「ありがとうございます。」

電話を切った美佐子は、自分でも驚いていたが相手の話し方が巧いのかいつの間にか予約してしまっていた。
時計を見ると予約の時間まで二時間程しか無い。治療院の場所までバスと電車で一時間程かかりそうだ…美佐子はテーブルの上を片づけ、身支度を整えると、家を出た。

(…ここかしら?)
チラシに載っていた住所の場所には、こじんまりとした一軒の家が建っていて、どう見ても病院といった風情では無く、大正時代っぽい香りのする素敵な一軒家だった。
表に小さな木製の看板が出ていて、洒落た墨書きで“快楽堂治療院”と書かれて無かったら気付かなかっただろう。
玄関を入ると『チリンチリン』とベルの音がして、白衣を着た一人の男性が現れた。
「いらっしゃいませ。お電話戴いた方ですか?」
「あ、はい…」
治療院と言うから、もっとお爺さんかお婆さんが出て来るのかと勝手に思いこんでいた美佐子は、以外にも若い男性が出て来たのに少し狼狽えながら答えた。
(この人が先生かしら…?まだ若いのね…私より若いくらいだわ…)
「さあ、どうぞお入りください。」
男性はそう言うと、“問診室”と書かれた部屋に入るよう美佐子を促した。


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