Where is my world?-2
急いだこともあり、2人は引っ越したばかりのマンションに直ぐに到着した。日の入りまでにはまだまだ時間があった。愛奈に説明する時間も十分取れるし、優衣は一先ずほっとした。
降りてきたエレベーターに乗り込むと、中には買い物袋を床に置いた主婦が壁に手をつき、セールスマン風の男に後ろからはめられて喘いでいる最中だった。
晃は挿入部分を覗き込もうとした優衣の前に立ちはだかると、アッチを向けと言わんばかりに、顎を振って睨んだ。
優衣は慌てて扉の方に体を向けたが、喘ぎ声に反応してヒクヒク動く耳を見れば、男女の行為に意識を集中していたのは明らかだった。
入居階の階数ボタンを押した晃は、優衣が見ていないことを確認してニヤリと笑った。腰を振る男の目配せしながら、激しく揺れる主婦の胸に手を伸ばした。男が頷いたので、晃は乳首を摘まんでこりこりと捏ねまわした。
「ああん、もっとおぉ〜」
俄かに大きくなった女の声に反応して、優衣の耳がヒクヒクと動いた。
チン!
エレベーターは直ぐに目的階に着き、父娘は名残惜しく思いながらエレベーターを後にした。エレベーターを出て数歩歩けば転居先の部屋だ。鍵を玄関扉に差し込んだ晃が、怪訝そうな表情を浮かべた。
「あれ?鍵、開いてるぞ」
扉を開けて一歩中に入ったところで、晃の動きがピタリと止まった。
「どうしたの?」
優衣も怪訝そうに問いかけたが、その理由は直ぐにわかった。
「ああん、ああん」
愛奈の艶っぽい喘ぎ声が、開け放たれた扉から廊下にまで流れ出てきたからだ。玄関には見慣れない靴が複数組氾濫していて、中の様子を容易に想像ができた。
再び動き始めた晃が廊下を抜けて居間の扉を開けた。優衣が晃の背中越しに居間を覗き込むと、想像した通りの驚愕の光景が繰り広げられていた。
全裸の愛奈が四つん這いになり、後ろから見知らぬ男に犯されながら、前にいた男の肉棒を口に含んでいた。
快感に我慢できなくなった愛奈が、含んでいた肉棒を口から出して喘ぎ声を洩らした。
「ああん、いいよお、ああん、ああん」
派手に喘いで息が落ち着くと「チンポちょうだい、チンポ」と言いながら、餌を待つ小鳥のように、口を開いて肉棒を求めた。
男が笑いながら腰を突き出すと、愛奈はパクリとそれを咥えて恍惚の表情を浮かべた。
「あむむ…美味しい…あむむ…」
厳格なはずの愛奈の乱れ方に、優衣はあんぐりと口を開いた。
居間には他の男女の淫らな行為も繰り広げられていた。ソファに座って見知らぬ女と騎乗位で励んでいた男が晃に気づいた。
「あっ、ご主人さん、お帰りですか。勝手に入って奥さん借りてますよ。奥さん、声が大きいから、それに釣られてみんな入って来てね。というより、入って来やすいように、さっきまで扉を開けてたんですけどね」
楽しそうに声を掛けてきたのはマンションの管理人だった。管理人からは晃の身体が死角になって、優衣の姿が見えていないようだった。
管理人ならマスターキーを使えば出入りは自由にできる。それを示すように、管理人が励んでいるソファの前のガラステーブルの上には、見慣れないマスターキーが置かれていた。
「ははは、初めはなんだか知らないけど凄く暴れたんですよ。でも妻が押さえ付けて、私がチンポを口に淹れたら、奥さん凄いバキュームフェラじゃないですか。あっという間に昇天ですよ。だから助っ人を求めて扉を開けてたんです。あっ、これ私の妻ですが、ご主人さん使いますか?」
管理人は悪びれる風もなく言うと、自分の上で腰を振る女を指し示した。
晃の背中で管理人の言葉を聞いていた優衣は、晃の様子が気になった。愛する妻を寝取られたのだから、平気なわけはないはずだ。優衣は愛奈の恥態から晃に視線を移すと、思った通り、晃は握り拳に力を込めてブルブルと激しく震えていた。
「お、お父さん…」
目の前の身体が徐々に筋肉で盛り上がっていくのを見て、優衣は晃が空手の有段者だったことを思い出した。
『お父さんて強いんやで。お母さんにからんでた男3人、あっと言う間にやっつけたんやから』
ナンパ男に激しく付きまとわれていた愛奈を、晃が救ったことが付き合う切っ掛けだったそうだ。そののろけ話もよく聞かされていた。