復縁-3
「……どういう意味だ?」
「♪」
バス移動し、その後は各自自由に別の他校の展示を閲覧するも良し、買い物をするも良しの自由時間。僕と稲葉さんは人気のない路地裏へ足を運び。
家族がもう一人減るとしたら、その身の毛も凍るその言葉。僕は咄嗟に彼が殺されそれでも必死に頑張る母さんの顔を思い浮かべる。
「貴方のお父さん、いや元お父さんと言った方が正解ね。彼どうやら貴方の新しい父親を殺しちゃったようねー。」
「何でそれを!ニュースか。」
「馬鹿ね、そんなんじゃないでしょ。」
そういうと彼女は僕ら家族が遭った事件の事細やかな状況を口にする、それはもはやニュースで報道されていない事ばかり。
「…なっ、何で……。」
「あらあらぁー♪青ざめちゃってぇーかぁわいいー💛」
「ふざけないでぇ!」
言葉では言い表せないような彼女の奥底の恐ろしさに全身が震える。
「貴方の元お父さん、どうやら最初はアンタら親子の事なんかもうすっぱり綺麗に忘れて向こうで仕事や新しい生活に馴染もうとしてたみたい、けど中々仕事も上手く行かず新しい良縁話も全然なくて。」
それから僕らのいる家に出戻り土下座でも何でもしてまたやり直そうと思ったようだけどその人は僕らも出掛けて居て。
「そこで会った訳か、君と僕のお父さんと。」
「うん💛」と悪魔のように微笑む。丁度僕の家を諦めて後にしようとした時に。
「何て、運命の悪戯な…。」
「私も最初はどうとも思わなかった、けど彼と話しているうちに、もう一人の私が呟いたのよ、「コレハチャンスダ明日香、コノ男ヲ利用シテヤレ。」って。」
「……。」
「まっ、とは言えまさかここまでするとは思ってなかった、一人でも多くこんなムカつくアンタへ恨みを持つ人間を増やしてやろうと、そしたらね。」
「……じゃー君のせいで母さんは、八重樫さんは!」
「私のせいってのは反論しないけど、でも、貴方のおばさんに付きまとったりその八重樫って人を刺したのはどう考えたって私じゃない、私は背中を押しただけ後は彼が勝手にやっただけの事。」
こいつのせいで八重樫さんは、僕の家族は未来は。