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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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車両の前哨戦-5

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

「死にやがれ!」

浅見の右腕の風圧を背中に感じた雄一は、打撃に備えて気を張った。しかし、その打撃が雄一の身体を捉えかけた瞬間、浅見の巨体は宙を浮き、その右腕は雄一に触れることなく、その勢いのまま回転した巨体は、床に叩きつけられた。

「ぐわっ!」

苦しげに息を吐いた浅見の右腕を、勢いを利用して投げ飛ばした田川が固めていた。

「すまん、遅れた」

車両の反対側で、ターゲットの永田みなみを断罪していた田川が、遅れたことを雄一に詫びた。

田川が少し遅れたのは、既に永田みなみを犯している最中だったからだ。永田みなみは3人のターゲットの中で一番気性の激しい女だった。抵抗が激しく、その分、田川の犯す行為も困難を極め、ようやく女の部分に挿入しても、手に噛みついてくるほどだった。

気の抜けない行為に集中していたため、星司からのビジョンは像を為さず、永田みなみの泣き叫ぶ声で、星司の声を聞きそびれていた。周囲のざわめきでようやく気づいた田川だったため、浅見の腕を抑え込む顔には、少しばつの悪い表情を浮かべていた。

その田川の顔に目掛けて、浅見の左腕が襲いかかってきた。

「おっと!」

田川は掴んだ浅見の右腕を素早く離して、その攻撃を辛うじてかわした。

浅見が投げ飛ばされたことで、啓太の気が一瞬削がれた。雄一はその僅かな隙を突いて、啓太の伸びた右肘に左手の裏拳を当てることができた。

「うっ!」

腕を弾かれ啓太の上体が開き、その表情に苦悶の色が浮かんだ。雄一はそれを見逃さす、無防備な腹を目掛がて蹴りを放った。しかし、簡単にはいかなかった。啓太は身体を捩って衝撃を反らした。

「くそっ、浅い!」

浅見の時と同様に決めきれない自分に雄一は苛立った。

「で、なんなんだよ、こいつらは?ターゲットの関係者か?」

田川は、起き上がろうとする浅見の腹に踵を落としながら、苛ついている雄一に聞いた。

「ぐぇっ!」

腹に田川の踵が食い込み、浅見が呻き声を洩らした。

「ターゲットとは別だ。幸田美咲と愉快な仲間達だ」

「幸田美咲の仲間?」

優子が拉致された翌日、その様子を記録した画像を、陽子が【痴漢専用車両】のサイトにアップしたことがあった。その画像の中で、優子に蹴られていた男と足元で横たわる男が、田川の中で繋がった。

「なんだって?じゃあ、優子ちゃんを拉致った奴らか?」

思いもしなかった情報に気が削がれ、田川は浅見の腹に足を乗せたまま、不用意に雄一に視線を向けてしまった。

「バカ!集中しろ!」

雄一が叫んだが遅かった。田川の隙を見逃さなかった浅見は、自分の腹に体重を乗せた田川の脚をギブスの腕で払った。

「ぎゃっ!」

田川は激しい痛みで脚を抱えた。それでも雄一の注意で反射的に身を引いたことと、浅見が無理な姿勢だったことが幸いした。田川は雄一のように骨を砕かれるのは免れた。

「イチチチ」

「バカか!」

顔をしかめて田川を一瞥した雄一だったが、せっかくの好機を逃したくなかった。田川に代わって、横たわる浅見に攻め寄ったが、ダメージの少なかった啓太が、すかさず拳を出して雄一を牽制した。


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