Girl Meets Devil 〜そのZ〜-4
「まあ、とりあえずそこの喫茶店にでも入りましょう。」
「話とは…」
「そうですね…まずは単刀直入に聞きます。あなたは悪魔や天使というものをどのようにお考えですか?」
天使と悪魔…私にとってはキリスト教の善と悪ぐらいにしか……
「そうですか。我々は簡単に言えば異次元、パラレルワールドの住人。天使も悪魔もあなた方人間が勝手に善と悪に分けただけで、天使は神の使いで死後天国に導いてくれるだとか、悪魔は地獄の使者で人間を堕落させるということはありません。」
神話とかに出てくるような力は無いってことですか…
「いえ、力は有ります。ルシファーがちょっと本気になれば確実に日本なんて消せるでしょうね。」
じゃあ、私にどう関係するんですか?
「今言った通り、天使も悪魔もかなりの力を持っています。そして、我々の世界は、あなた方が呼ぶ天使と悪魔の国の様なものが幾つもあり、あっ…ルシファーもその一国の王なのですよ。」
それは私も知っています…
「失礼しました。そしてほぼ全ての国々が今、冷戦状態なのです。そのため…僕達は向こうの世界で力を使うことが出来ません。言わば力を持て余してるのです。そのため、こちらの世界で力を使うのです。」
先輩は淡々と続ける…
「だから僕達の様に、人のために力を使った者は天使として、人に害を為した者は悪魔として広まりました。…しかし本来、この世界では制約がかかり、大きな力は使うことは出来ないのですが、一つだけ大きな力を使う方法が有ります。」
それは?
「人の願いです。詳しくは説明出来ませんが、その願いを叶えるという方法でなら大きな力も使うことが出来ます。ルシファークラスともなると世界を滅ぼすことも可能です。そして、我々の世界とあなた方の世界は密接に関わっているんです。そのため、この世界が狂うと向こうの世界にも歪みが生じます。」
じゃあ、私に願いを叶えるなということですか?
「世界を滅ぼすような大きな願いならね。」
私はそんなことしません。
「分かっています。そのために僕は派遣されたのですから。この何ヵ月間か観察していてそれは分かりました。ですが、念のため僕の側にいてほしいのです。」
じゃあ、仕方なく私と付き合うということですか?
「最初はそう思っていましたが、この前のことがあって本当にあなたが好きになりました。結構、我々の感情はあなた方に似ているんですよ。」
でも…
「何もすぐに好きになってくれと言うことではありません。ただ…自分が力を使いたいが為にあなたを騙す悪魔からあなたを守りたいのです。」
……
「どうしても嫌だと言うならば、あなたの本当の気持ちを教えていただけませんか?」