Girl Meets Devil ～そのⅦ～-5
私の本当の気持ち……
それは不完全なモノ……
「……わ、私は…恭夜のことが好きです。でも、これが恋愛感情なのかわからないんです……。私は今まで男の人と付き合ったりしたことが無かったから……」
先輩はしばらく考える様にしてから少し残念そうな口調で
「そうですか…分かりました。」
とだけ答えた。
「すみません…」
「いえ。ですが、まだ僕は諦めたわけではありませんよ。今の言葉から僕にもチャンスがありそうですしね。」
あの……
「そういえば、そろそろ帰った方がいいのでは？もしかするとアイツも帰っているかもしれませんよ？」
「えっ…？」
「すみません。あなたがルシファーの居場所を聞いたとき嘘を吐きました。居場所を教えるとあなたは迷わずアイツを捜しにいったでしょう？それが嫌でしたから嘘を吐きました。今、アイツはあなたの家にいます。」
「あの先輩、私…」
「ここは僕が払います。また、デートしてくださいね♪」
「ありがとうございます。」
そう言うと私はすでに走り出していた。
「それが恋愛感情なんですけどね…。まあ、負けるつもりはありませんよルシファー……」
「恭夜！」
「茜…すまなかった……」
家に入ると、そこには珍しく素直に謝っている恭夜がいた。
「よかった…帰って来てくれて……」
恭夜がいる。それだけで何だかホッとする…
「…怒らないのか？」
「何で？」
「何でって…昨日はお前の言い分も聞かずに怒ってしまった……それにアイツからいろいろと聞いただろ？」
「うん…まあね。世界を滅ぼすことも出来るとか力を使いたがってるとかね。……でも、私がそんなことを願わなきゃいいんだし。」
「…お前、俺が騙したり脅したりするかもしれんのだぞ？」
「恭夜がそんなことするわけないじゃん。少なくとも私はそう信じてる…」
恭夜は一瞬ポカンっとした表情を浮かべるが、それはやがて呆れる様な笑い声へと変わった。
「………くっくっ…お前はどこまでお人好しなんだ…」
「恭夜もね♪」
「…ならば、俺も茜を信じるとしよう。」
「何を信じるの？」
「お前が浮気なんかしないということだ。間違ってもあんな奴のとこに行くなよ…」
「………もしかして恭夜、嫉妬してたの？…それとも、天宮先輩と何かあった？」
「…何にも無い。ただ…アイツは気に食わん！」
絶対何かあったな、これは…
まあ…聞かないことにしてあげるよ。