詩織の異常体験【乳首責め】-2
鍼灸師が使う、本物の鍼(はり)だった。妹さんの商売道具に違いない。
大事そうにつまんで持って、私に見せる。
「ちょっと待って」
彼は無免許の素人だ。危険すぎる。
それに違法なんじゃ?
「何が?」
彼は、無造作に私のへその上に鍼を刺した。
「うっ」
いきなりで驚いたが、あまり痛くない。
顔を起こして見ると、長く細い鍼は、ごく浅く入っているように思えた。
「ね、こんな感じ」
◆
Sだ。
縛られたこと、有り。逆さ吊りにされたこと、有り。
今までにされた、直接セックスとは結びつかないアブノーマル行為は、それくらいだったが、Sじゃなきゃやらない行為には間違いなかった。
ついに、針責め。
ドSと認定するしかない。
顔を起こして見ると、
今、彼は私の右の乳首を左手でつまみ上げている。
右手の鍼を水平に構えている。
乳首の根元にそろそろと近づく。
私は目を閉じ、頭を落とした。
チクリという痛みがきて、体組織を貫通する強い痛みに変わっていく。
「いたー!」
思わず叫んだ。
身を起こそうとして、手首に縄が食い込む。
それを彼が押さえつけた。
「もう終わった」
――乳首を貫く鍼を見て、私は気絶しそうだった。
幸い、彼はそこまでで満足した。
鍼が抜かれた。出血はなかった。
なお、左の乳房は免除された。
「もう」
彼は、大事な鍼をケースに戻している。
消毒、という言葉が浮かんだが、まあ大丈夫だろう。
彼は、そっと左乳首に触れた。
「もう痛くないわ」
先に言ってやる。
ほっとしたような彼に、
「でも、もう二度としないで」
と言った。
彼はうなずいて、ショーツの中に手を入れてきた。
濡れてないんだけど、とは、
さすがに言えなかった。
◆
このあとは、
足だけ縄を解かれ、ショーツをずらされての、半拘束変態セックス、
縄をすべて解かれ、ついでにショーツも脱がされての、バックスタイル全裸セックスへとなだれ込んだ。
◆