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二人の外道2
【鬼畜 官能小説】

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A:2-2

「さあ、起きろ! おらッ、起きろってんだよ!」
 耳元で響く怒号に少女は深淵から呼び起こされた。
「うぅ……?」
 意識は回復したが、理解が追い付かない。いったい自分がどうなったのか。少女は意識を失う直前からなんとか記憶をたどろうと、直近の記憶を脳に思い起こしたときだった。
「あがぐがぎゃあうがあああああああッ! あがあッ! ぐがあッあああッ!」
 右太腿に無数の針が突き立てられたような激痛が走った。激痛はそのまま収まることなく体内を焼きながら脳天まで突き抜けた。
「目覚ましだ、もう一回!」
「ふうががががががッ! ぐぎああああああああッ!」
 今度は左太腿に衝撃が走る。その衝撃が走り去った後、出発点となった両太腿を中心に火傷のような痛みがじんわりと広がる。
「こっち見ろ! 目ぇ覚ませッ!」
 前髪を掴まれて激しく前後左右に揺さぶられた。激しい衝撃に目がまわる。しかし、目元にスタンガンが突きつけられて、少女は怯えながらその凶器の主に焦点を合わせた。
「ひっ……あ……」
 そこには、つい先日知り合ったばかりの男――少女が金づると蔑視していたAの姿があった。口元は不気味に緩んでいたが、彼女を怯ませたのはそれではなく、その上にある二つの光のない瞳だった。
 バチバチバチバチッ!
 スタンガンが青白い稲妻を放ってスパークする。その時に発する大きな音は本来、襲い来る暴漢などを怯ませるためにあるという。だが、現在そのような正しい使い方はされていない。拘束された少女に向けて、威喝するための愚劣な道具になり下がっている。
「さて、二、三聞きたいことがあるのでね」
 Aの目の前には、手首に巻かれた枷によって両腕を高く吊られたエリこと高上美衣奈の姿があった。ブレザーは脱がしたが、その他の衣類は履いているローファー含めてそのままにしておいてやった。衣類を着せたままにしたのは単なる思い付きに過ぎなかったが、いきなり全裸で行うというのも風情に欠けるというものだ。
「やめて……やだ。離してっ」
「ここに来た奴はみんなそう言うさ」
 今までさらってきた人間は片手では済まないが、みんなはじめは異口同音に”助けて”だとか、”やめて”だとか怯えていた。中には歯向かうような気の強い少女もいたが、たいていは二、三回で大人しくなった。彼女はどうだろうか?
「大人しくしてればたぶん、痛い目には合わないと思うよ、美・衣・奈・ちゃん」
「っ! お前……!」
「ああ、気にするな、偽名だってのは知ってた。美衣奈ちゃんが風呂入ってる間にブレザー触ったからね、気づいたのはその時さ」
「このクズ! さっさと外せっ!」
「わお、それが本性かな?」
「黙れッ、クズが! ふざけんなよッ!」
 美衣奈が両腕の鎖を鳴らして喚きたてる。Aは抵抗されるのが嫌いではなかった。むしろ抵抗が激しいほど、屈服させたときの達成感が大きく、つよい快感を得ることができた。裏の彼は言い訳などできない異常者だった。
「まあいいや。でね、そのとき変な物も見つけちゃったんだー」
 美衣奈の叫びを無視しながら彼は自身の上着の胸ポケットからPTP包装された薬を人差指と中指で挟んで持取り出し、彼女の目の前で揺らして見せつけた。銀色のアルミシートが照明を反射してキラキラ光っている。彼女の顔が強張るのがAの瞳に映る。
「こぉーんな薬の名前も書いてないようなの、おかしいよねー? さぁ、一体なんの薬なんでしょうかねぇー? 胃痛薬? それとも、女の子の薬かなぁー?」
「黙れっ! 外せ、返せっ!」
「はぁーあ。単語でしか喋れねーのかよ、ったく、これだから頭の悪いガキは疲れる」
 Aから笑顔が消えると、左太腿にスタンガンが押し当てられ、容赦なくスイッチが入れられた。
「ふあぐがぎゃががががががッ!」
「もう一回聞くぞ。なんの薬だ?」
「し、しらないっ!」
「じゃあ電気だ」
「ふぐがあああああああああああああああああッ!」
 三度、左太ももにスタンガンが押し付けられた。
「さあ、今度はどこに当てようかな?」
 右太腿と左太腿、さらには制服のカッターシャツの上から左の二の腕、右の二の腕とAは時計回りに円を描くように当てていく。
「や、やめろっ! もうやだっ、電気やめろっ!」
「そう金切り声で喚くな。お前の鞄にもスタンガンと催涙スプレーが入ってたぞ?」
「……っ!」
 咄嗟に言葉に詰まる美衣奈。そう、彼女も似たような行いをしたことが以前にあったのだ。援交と称して釣った中年男性を仲間数人で囲んでお金を脅し取った。そのとき、美衣奈は男性の胸部にスタンガンを押し付けていた。地面に倒れ込んで悶絶する男性の背中を踏みつけて、ケラケラ笑った。元から”そういうこと”をするつもりで買ったものだった。
「不良少女に天罰を」
「やめろっ、言うから! その薬のこと言うから!」
「あんだって? 声が小さくて聞えなーい」
「やめッ、んがぎゃあああああががががががががッ!」
 左の二の腕に当てられた。服の上からでも電流が全身を駆け回る。壮絶な痛みに美衣奈は絶叫する。これでも、威力は低く設定されていたものであった。
「うるさいなぁ、小便垂れ流しちゃうような電流浴びせようか? まだこれには上があるぞ?」
 Aが目の前でスタンガンのスイッチを切り替える。つまみが大(130万V)と表示された部分を指した。これは民間に販売されているスタンガンの中では威力が最大のものだ。
「言うっ、言うからぁっ!」
「聞えないって」
「その薬は――むぐっ」
 口に棒状の口枷が押し込まれ、美衣奈は言葉を封じられた。噛まされたシリコンバーの端から涎が滴り落ちる。


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