きわめて自慰的なマゾ男の手記、あるいは散文詩-6
ビシッー…
あうっーあぐぐっー
唇から迸るように洩れる嗚咽。私は大きくのけ反り、吊られたからだは海老のようにしなる。
ビシッー、ビシッー
鞭が重厚な音をたて、私の肌に喰い込み、蛇が噛みついたような鋭い痛みが身体の隅々まで広
がっていく。部屋に響きわたった鞭の重い音とともに張りつめた空気が部屋に漂う。背後で笑
うサキュバスは、手加減することなく、私のからだに何度となく鞭を振り下ろす。
ビシッー、ビシーッー
…うぐぐっ…あうっーっ…
胸郭を大きくのけ反らせ、烈しく身悶えする私の唇の端から、呻きとともに唾液が糸のように
滴る。女は微妙な強弱をつけながら、巧みに鞭を振る。蛇の鱗のように編まれた鞭の表皮が、
私のからだに吸い付き、肌を噛むように襲いかかる。悶え、腰をくねらせると、吊られた手首
に革枷が喰い込む。突き上がる臀部とともに淫靡に硬く勃起しようとするペニスに繋がれた鎖
のゆるみが、ギシギシと軋む滑車によって吸い取られ、徐々に股間のペニスを背後に引き締め
ていく。
私の悶え抜く姿態が鏡に浮かび上がる。サキュバスが振り上げる一本鞭が、容赦なく臀部や背
中、そして太腿に襲いかかる。肉体に潜む淫らなものがざわめき、鞭の先端から皮膚に伝わっ
てくる痛みは私のからだの奥で純粋に性的なものを泡立たせる。欲情という自意識は女が与え
る苦痛によって破壊され、無意識のうちに再生される。それはとても素晴らしい瞬間。あるい
は、女を美しい宇宙として抱きしめる瞬間…。
ビシッー… ひいっ…
しなやかに伸びてくる鞭が、うねり、たわみ、身悶えする私の裸体に絡む。股間から臀部の背
後に鎖で引き締められた性器は千切られそうになるくらい伸び切っているというのに、紫色に
変色した亀頭の先端にはたっぷりと雫が滲んでいる。腹部や臀部がくねり、胸を大きく波うた
せながら、私は咽喉元を烈しくのけ反らせる。
ビシッー
彼女が縦に大きく振り下ろした鞭の先端が、鋭く光を遮り、鎖で引き締められ、伸び切った私
のペニスと陰嚢の粘膜を直撃し、棘のような烈しい痛みとともに撥ね上げた。
ひいいっー、あぐぐっ…ううぐっ…
その瞬間、私は夥しい精液の飛沫を床に垂れ流したのだった…。
― 五月三日
《受態… 受け入れる薔薇色の官能を、限りなく純潔に近い悦びとして知ること》
サキュバスは私が豚のペニスを尻穴で受け入れる悦びを知ることを命じた。私の中を突き抜け
るものをアナルの肉襞で喰い絞め、じわじわと穴に放出される豚の精液をアナルの肉襞に吸い
込む愉悦。豚に支配される価値のない私の爛れていく精神と肉体…。豚のペニスを挿入される
かけがえのない快感、あるいはサキュバスの前で屈辱的に豚に犯されるという快感。その屈辱
的な自分の姿を鏡で見ること…夢魔の嘲笑を甘美に想い描きながら。
犬小屋ほどの鉄格子が嵌まった檻。三つの鉄輪の組み込まれた奇妙な檻に入れられた私は、四
つん這いになり、真ん中のやや大きめの輪に首を入れ、両脇の小さめの輪に手首を差し込む。
ギシギシと金属音が微かに鳴ると私の首と手首が鉄輪によって絞められ、拘束される。檻の中
で尻だけを持ち上げた私は開いた両足首を檻の中の床に鎖で拘束される。