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きわめて自慰的なマゾ男の手記、あるいは散文詩
【SM 官能小説】

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きわめて自慰的なマゾ男の手記、あるいは散文詩-5

《朧な光となってその輪郭をあらわにしていくサキュバスの狂気の予感…》

私は黒いハイヒールを履いた女の足元に這いつくばるように頭を垂れる。後ろ手に嵌められた
革枷をつないだ鎖が金属音とともに軋む。

ハイヒールを舐めるのよ…私がいいと言うまで。金属的な声で女は冷ややかに言った。床に這
った私の唇をなぞるようにハイヒールの先端でつつく。私は唇の内側を舌でなぞり、しっとり
と湿らせると、鼻先に差し出された光沢のある黒いハイヒールに頬をそえる。エナメルの黒い
光を吸い込むように微かに唇を開き、ハイヒールの側面にふるふると舌先を這わせる。

跪いた私の鼻先に伸びている脚先から見上げたサキュバスの麗しく威圧的な姿。支配される甘
美な感傷。彼女の美しく彩られた肉体の下に見え隠れする性が溶け、濃さを増していく瞬間。
濡れた睫毛でふちどられた瞼を細め、瞳の中にしめやかに染まった背徳の色彩。私は彼女のハ
イヒールに頬をすり寄せ、限りなく敬虔な愛撫を繰り返した。

《女の足で踏みにじられるペニス…あるいは、奴隷的精神の明瞭さ…》

すべてを理解していたのは、サキュバスだった。私が想っていることのすべてを。私の頬から
サキュバスが吐いた生あたたかい唾が垂れている。後ろ手に革枷で拘束されている私はその唾
をぬぐうことができない。彼女はとても素敵に苛立っている。彼女は、私の下腹部のこんもり
としたふくらみをハイヒールの爪先で強く踏みつける。サキュバスの欲情の震えがヒールの底
から伝わってくる。爪先で踏みにじられるほどに、私の股間のものが硬さを含み、亀頭を喘が
せる。まるで生き返った幼虫のように彼女のハイヒールの底でもだえ、捩れ、無意識に熱を帯
びてくる。
 

― 三月

《サキュバスの鞭で与えられる苦痛は、とても優雅な瞑想の感覚…》

鞭が空を切る音、そして私の肌に喰い込む音は研ぎすまされている。肉体の苦痛ではなく、ど
こまでも精神による感傷的な認識。苦痛で自らの肉体を苛む欲望に限界はない…それは、神が
与える至福の実現、黄金の煌めき…。

鞭を手にした女はとても淫らで美しい…。いや、鞭を手にした女だけが見せる、成熟した、奥
深い淫惑…。彼女の濃い淫蕩が私の咽喉を涸らしていく快感。黄昏の血色の光が心と肉体を充
たしていく酩酊。

正面の大きな鏡の中に写っている私の姿態…。両肢を開いた脚首は床に埋め込まれた鉄輪に拘
束され、足の爪先がわずかに床に触れるほどに両手首を天井から垂れ下がる鎖で吊り上げられ
ていた。開いた股間の背後の床に埋め込まれた鎖を巻く滑車から伸びた細い鎖は、私のペニス
の根元と肉棒を締めつけるコルセット状の拘束帯に繋がれ、私の性器は股間のあいだを割り、
背後に強く引かれていた。

ピンと張った細い鎖は、女の鞭による下半身の悶えによって弛んだ瞬間、自動的に滑車によっ
て巻き上げられ、私の性器を背後に容赦なく引き締める。性器を股間に引き締められることに
よって悶え、せり出す私の臀部とたわむ背中。


朧なサキュバスの影…私の姿態だけが淡い灯りの中に浮かびあがる。

私の背後に立った彼女は床に鞭を打ちつけた。重々しい鞭の音が部屋に鳴り響く。とても美し
い残酷な瞳と愛おしい姿…。サキュバスはゆっくり鞭をふりあげる…。私の背後から、長い一本
鞭が、ヒューと空気を裂き、すっと伸びてくる。


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