きわめて自慰的なマゾ男の手記、あるいは散文詩-10
― 十月
《処刑… 断頭台への責め苦の道は、とても美しく希望に輝いている》
色褪せた二本の門柱のあいだに吊られたに鈍色の鋼の刃…。三角に加工された鋭く砥がれた刃
は柱に埋め込まれたレールに沿って落下し、二枚の板枠の細いすきまに入り込み、板穴に固定
されたものを無残に切断する。
斬首台…普通のギロチンと違うのは刃の下の板枠の小さな穴に挿入され、切断されるものが人
間の首ではなく、私のペニスだということ。ギロチンの鋭い刃を目の前の頭上に見上げ、二本
の門柱に手首と足首を枷で拘束された私は腰をぐっと前に突き出している。切断穴に挿入され
た私のペニスが穴枠で強固に固定されていた。、
板穴の枠に痛々しく垂れ袋の根元を絞められたペニスの先端は、すでに切断という処刑を待ち
ながらも希望に輝き、猛々しく起っている。
ペニス切断の執行人‥もちろん、それはサキュバス…
目の前のテーブルでは彼女が黒と白に斑に目が刻まれたルーレットを弄っていた。どの数字な
のかはわからない…この回転する円盤の中に隠された、ある数字の位置でサキュバスが投げ入
れた玉が止まったとき、ギロチンの刃が私のペニスを切断する。私はルーレットに転がった球
の行方に怯えながらも、きっと極上の快楽をえることができる。
サキュバスは冷酷で狡猾な欲情を頬に滲ませた。私の口枷から嗚咽が洩れ、唇は渇き切ってい
るというのにあとからあとから溜まっていく唾液が唇の端から糸を引くように滴る。ペニスの
亀頭がひくひくと弛緩を繰り返している。
女は薄い冷酷な笑みを浮かべた。ルーレットが回転し、彼女が指でつまんだ玉が円盤の中に投
げ入れられた…。
心が浮き立つ甘美な恐怖の瞬間…。一回目に手間が止まった数字。ペニスの上に掲げられたギ
ロチンは微動すらしなかった。二回目の球が放たれた。転がりかけた球が円盤の中で静止しし
かけたとき、ガタッという音が不気味に響いたがギロチンは止まったままだった。ペニスが烈
しくそそり立つ。粘った透明の液が亀頭の先端から滴り始める。体中の毛穴から汗が滲み出す。
三回目の玉が回転する円盤に吸い込まれていく。私の目の前で投げ入れられた玉が影を引くよ
うに球がコロコロと転がり…ある数字の場所に止まりかけ、静止したとき…。
ガタリと鈍い音が響いた…。
突然、シャーという音とともにギロチンの鋭い刃がペニスの上に落ちてくる…。
私はとっさに目を閉じた…。
その瞬間、私は夢から目を覚ました。汗が滲んだ下着の中には射精した白濁液の夥しい飛沫が
ねっとりと滲んでいた…。