最終章 海女菩薩-16
子蛸 (お良さん見てよ、あそこに四畳半位の石畳があるでしょう。
洞窟の中で唯一つ天辺より日の光を指す場所さ、
あの場所だけ明るく、そして石畳も暖かくお良さんを抱いて愛撫できる所さ。)
お良は子蛸に石畳の所まで連れられその場所に立った。
その瞬間、近くの岩場からガチンとする音が聞こえ何者かの気配を感じた。
お良 (誰、居るのなら出てきなさい。)
すると岩場の影から大蛸が姿を現した。
よく見れば子蛸の父親蛸ではないか、
子蛸 (父ちゃん、何でここに居るのだよ、)
父親蛸 (坊ごめんよ、お前に悪いと思ったが、
わしもお良さんの事を忘れる事が出来ない、
もう一度お良さんの肌に吸い付きたいと思いわが子の後付けたのだ。
息子よ、お良さんよ、許してくれ。)
お良は困ってしまった。
子蛸だけにはこの身体を許す筈だったが父親蛸まで来るとは思いもしなかった。
父親蛸はお良を観るなり、その色気と色っぽい着物姿に興奮し、
お良に熱く語るのであった。
父親蛸 (お良さんは一度お会いしただけなのに今のお良さんは親方に抱かれる前より、
すごく色気が漂い女体にも張りが出て肌も玉如く滑らかで、
色っぽい着物やふんどしもお良さんの肉体を美味しそうに見せる器しかない。
そして人間の女とは見えないほど美しく、まさに天女の再来じゃ。
今、お良さんを抱ければ命など失っても構わない。)
お良 (お父さん蛸には申し訳ないけど、あなたには体を許す気はないわ。
私は蛸の坊やとの約束で此処まで来たのよ。
坊やにこの肉体を味合わせ、嬲らせ、
私の淫水やお豆をしゃぶらせる為に覚悟してきたのよ。
お父さん蛸とは約束していませんから。)
父親蛸 (お良さん皆言わなくても分かっています。
でも、わしの話を聞いてほしい。
今ではわしは息子と二人で暮らしています。
しかし以前は女房蛸と三匹で幸せに暮していたがこの島は女蛸の数が少ない。
だから、他の男蛸はつがいの女房蛸も襲うことが多く争いが絶えない。
そして強姦され息絶える女蛸もいる始末、親方蛸もそれを防ぐ手立てもなく、この島は女蛸が平穏で棲めなくなってしまった。
だから、発情期しか女蛸を抱けない、
その時期以外は女蛸達も身の危険を感じて逃げ出すしかないのです。
わしも女房蛸を逃がせました。)
お良は父親蛸の話に同情はしながらも、
親子蛸が私を犯し嬲っている事が親方に分かればこの親子蛸は必ず死罪に成る。
子蛸だけの命乞いなればお良が頼めば親方の許しを請う事も出来るが、
しかし、親子と成ると許される事は無いと思う。
親子蛸の命を守る為にお良は表情を厳しくして話しかけた。
お良 (あなたたちの事情は良く分かったわ、
でも、私がお父さん蛸に嬲られる事とは関係ないと思うけど。)
父親蛸は漁師が使う銛を触手で握り、それをお良に見せ、
子蛸を見据えて必死の覚悟でお良に話しかける。
父親蛸 (お良さんの気持ちは分かります。
しかし、わしが此処まで来たからはそれなりの覚悟があってきました。
その事は息子も分かってくれていると思います。
この場でわしら親子がお良さんを抱くことが出来なければ、
親子共々、この銛でわしら自害します。
どうか、お良さんのお慈悲でこの哀れな親子蛸の願いを聞いて下さい。)
お良はその必死の言葉に心が動揺し出した。
子蛸 (お良さんお願いだよ。
お父ちゃんの願いを聞いて、おいらの一生のお願いだよ。
親子でお良さんの体を嬲ることが出来なければ、
おいらもお父ちゃんも此処で死ぬよ。
お父ちゃんが自害したら,おいらも生きていても仕方が無いもん。)
その話を聞いて苛立っている者がいた。
その場所より少し離れた岩場から親子蛸を睨みつけている太助であった。
太助 (おのれ親子蛸、
お母ちゃんの優しさをいい事に女体に迫るとは汚い真似をしやがって。)
と言いながら、太助の心の中は母親が親子蛸に凌辱され犯されて、
母親が快楽に身を委ねながら恍惚感浸り喘ぎ声を出す事を想像する。
それだけで太助の若い肉棒はそそり立ち体が熱く感じるのであった。
お良は考えた。
親子蛸の命を救う為に犯される事を拒否しょうとしたが、
彼らの望みを断れば親子共々自害するであろう。
それを防ぐには自分の肉体を親子蛸に嬲らせなければ成らない。
昨夜、親方と子蛸たちに嬲られ犯され昇天させられたばかり、
これでは体が持たないと思う気持ちもあったが、
彼らの熱意と情欲を女体に注がれた為に子宮の辺りが疼き、
体が火照る感じがした。
丁度、その時に洞窟の奥の方から生暖かい風がお良の股間辺りに
優しく吹き込んだ。
そして着物が風によって舞い上がり、
股間の純白のふんどしが親子蛸の前に曝け出した。
その瞬間にふんどしに隠された女陰辺りに親子蛸は鋭い視線を浴びせた。
お良は親子蛸が自分の肉体を必死で物したい執念を感じ、
親子蛸に身を捧げる事を決心したのであった。