打ち砕かれた家庭-3
「それにしてもアイツは何処で何してんだ。」
職を失い浮気相手に貢ぎ過ぎて家賃も払えず家を追い出され、噂じゃボロボロの服で公園のごみ漁りをしてるとか。
「前の夫の事は聞いたけど、まさかここまでとは。」
「八重樫さん…。」
普段大雑把でエネルギッシュな母さんも弱弱しく八重樫さんの胸に縋る状態で。
「お願いよ、私たちの事。」
「風香さん。」
「もう、私達には彼方しか頼る人が居ないから。」
「分かってる、君に君ら認めてもらった時から決めてたんだ必ず護る、そして幸せにするって…。」
「八重樫さん。」
「……。」
この人は本当に頼りになると、改めて実感し。
ガシャーンッ!
居間でそう関心していると窓ガラスが割れ、僕はすぐに避けきれずに破片が腕を切り裂き
「風馬っ!」
「っ!」
そんなさ中で割れた窓の向こうからにやっと笑みを浮かべるボロ服の男の姿が。