タクミの家-1
「、 、 、、っ ぇぃっ !」
ちづるはインターホンを押した。
ピンポーンと、音が鳴る。
「 、、はぁ、、、
きん ちょう する
、、、、、〜っ 、、、
、、、、、、、、、、。
ん? 」
いない
、 、 、、。
出ない
出掛けた ?
でも お腹痛いなら
出掛けるはずないし
ちづるは、
再びインターホンを押す。
しばらく待つ。
しかし、やはり応答がない。
3度目のベルを押して
そこで応答がなかったら
帰ろう、と思いながら
ベルを押した。
すると、
インターホンからガチャッと
受話器を取る音がした。
ドキっと大きく
心臓が鳴った気がした。
『、、、、、、はい。』
不機嫌そうな、
寝起きのようなタクミの声だ。
ちづるがインターホンに
向かって、慌てて言う。
「 ぁの、! 〜っ 私っ 」
『、え? 』
「ちづる です!
、、! ぁ 常盤 ですっ 」
『 ぇ? 、、、ちづちゃん?』
「うん!」
『、、どーしたの?
俺、なんか忘れたっけ?』
「ううん、、 ぁの、 〜っ
話したくて、来たの!
後、渡したい物もあって、、」
『 、、、ん。
分かった 待ってね。』
インターホンから
ガチャリと受話器を置く音がした。
ちづるは
自分の胸の前で
両手で茶碗を持っている。
胸のドキドキが手に伝わる。
その時。
中からドアが開いた。
制服姿のタクミが、
ドアを半分開いてちづるを見る。
タクミの
ぼんやりとした目や
少し寝癖がついている髪を見て
ちづるは言う。
「 ぁ、、 ごめん
寝てた ? 」
「、 、、、、、うん。」
「 ぁ、、ごめん ね。
休んでた所 、、」
「んーんーー、、。
、、、、、。」
「、、、、、。」
「、、、、、 で ? 」
「、ぇっ? 」
「 何? 話したい事? だっけ」
「 ぁっ うん、、。
ぁ、、これ 、、」
「 ん?」
「おかゆ。 作ったの、、。」
「、、。、、ありがと、、」
「 、 っ ぅん、、。」
ちづるは、
両手で持っていた茶碗を
タクミに差し出す。
タクミはそれを受け取る。
しばらく、2人は沈黙する。
「、、、、。」
「、、、、。」
「、、?
じゃあ、これ、、。
ありがとね 」
「 、 ! 」
あ 、!
タクミは
ドアを閉めて家の中に入ろうとした。
ちづるは思わず呼び止める。
「 待って、! 」
「 ぇ? 」
「 ぁの、、私 〜っ、、
は、 話したいの ! 」
「んーー? うん、、。
ぁー でも、俺ちょっと
体調が、、、。 」
「 ん、、 ぅん。
分かってる、、でも
〜っ 大事な 話なの
〜っ どうしても、、、
今じゃ 駄目かな ? 」
「、 、 、、、 、。
どしたの? 」
「 え? 」
「なんか、あった?
大丈夫? 」
「、 、 、、、 っ 」
「 じゃあ、、、うん。
入る? 」
「 え? 、、、、 うん。」
タクミは
そう言いながらちづるに
家に入るように促し、ドアを閉めた。
タクミが背を向けて
靴を脱いでる。
ちづるはキョロキョロとする。
「、、お邪魔 します 。 」
ここが
タクミ君 ち
玄関を上がると
すぐ左にある部屋が
タクミの部屋だった。
タクミは自分の部屋に入る。
後から入ったちづるは、
好奇心に胸が弾み
またキョロキョロとしている。