卒業-6
タクミは、
自分の家に戻った。
自分の部屋へ行き灯りをつける。
鞄を机の上に置き、そこから
キーケースを取り出す。
それを持って
重い足どりでベッドへ行くと
制服の上着も脱がず
バタンとベッドに倒れこんだ。
仰向けに寝て、
キーケースを持った手を
天井にかざす。
キーケースを見つめて呟く。
「卒業 おめでと〜
離婚 おめでと 〜〜」
実家に戻って
ちづちゃんは ここに来て?
そんで ?
会ってセックス する
今までと 何も変わらない
変えたかったけど
「 まーーぁ、、そんなん
俺の 勝手な 、、ねぇ?」
どうなりたかったんだろ
俺
頼って ほしかった
相談してほしかった
でも
ちづちゃんは そんなん
望んで ない
ちづちゃんの事見てれば
分かるじゃん
セックスだけ って
身体だけ って
それが どうして
こんなに
「ツラいんでしょーかねーー、、
っ はーーー、、、 」
あ 。
プレゼント
タクミは寝ながら
机の上の学生鞄を見つめる。
鞄の中には
ちづるへのプレゼントが
入ったままだ。
「、、、元気になったら
渡しますか ねぇ 」
そう
元気に
、 、 、、って。
いつ なれっかな
なんか しばらく駄目かも
言葉で 伝えても
何度 セックスしても
気持ちは
なんでこんなに
届かないんだろう
目の奥が熱くなる。
涙がじわりと浮かぶのが分かり、
そのまま目を閉じた。
目を閉じると
自分が深く落ち込んでいる事を
改めて自覚してしまう。
「 っ はーーーーーー、、」
長く大きなため息をつく。
しばらくするとウトウトと
眠くなってきた。
このまま少し
寝れたらいいと思った。
キーケースは握りしめ
自分の胸の上に置いたままだった。